俺と恵さん 5人いる愛人

14話 優がいないお屋敷 ~恵サイド~




「ふぅ、これで終わりですね」




今日は優様がご帰宅されない日。ご友人の菊門……、もとい菊井様のうちにお泊りになられるそうです。




優様は、菊井様以外にもご友人がおられます。




育ちは悪くありませんが、気取ったところのない優様は、ご友人も多くて、お友達と遊ばれることも多いです。決して今日が初めてではありません。




そして、今日は旦那様も奥様も遠出されていて、そちらに母様もついて行かれているため、私は1人です。




優様のご帰宅時間は、正午、旦那様達は明日まで帰られません。掃除や洗濯もすべて終えましたので、やることはもうありません。ただいまの時刻は18時ですので、18時間は自由時間ということになります。




もちろん、やることは1つです。優様のベッドで寝ることです。




1人は正直寂しいです。優様を朝起こしに行けないだけで……。同じ家に優様がいないだけで、寂しいです。




いずれ来る別れを私は耐えられるか不安です。




ですから、1人の時は、優様のぬくもりの中で寝ます。そうすると、いつもいい夢が見られます。






15話 ラブコメで100回は見た光景




「気持ちいいですか?」




「うん、すごく気持ちいいです、もっと奥をお願いしてもいいですか」




「もちろんです。棒が奥まで届けばの話ですが」




「やっぱり痛いですね。あんまり慣れてないので……」




「ではもう少し優しくします……。はぁ……」




「むぐぅ」




「あ。申し訳ございません。顔が胸に埋まってしまいました。ちょっと棒をぬこうとしただけなんですけどね」




「いえ、大丈夫です」




「ちょっと固いのがありますね。我慢してください」




「うう、もう限界です……」




「終わりました。また大きいのが出ましたね」




俺も恵さんも気持ちよく恍惚の表情を浮かべていた。






「ありがとうございました。意外とやる側も気持ちいいものですね」




「俺は本当に気持ちよかったです。すっきりしましたよ。またお願いします」




はぁ、耳かきはやはり気持ちいい。








16話 ソーセージ




「このウインナー美味しいですね」




今日の晩御飯にはかなりサイズの大きいウインナーが出た。




恵さん自身はあまり無駄な買い物はしないのだが、よく付き合いで、いいものをもらうことがある。




ずっと移動している別荘に置くわけにもいかないので、必然的に俺と恵さんが使うことになる。




なので、週に1回くらいは珍しいものを食べることがある。




「あ、これはウインナーではございません。ボロニアソーセージと言うそうです」




恵さんが現物を持ってきた。ウインナーというよりハムくらいの太さがあった。




「大きいウインナーではないんですか?」




「いえ、そもそもウインナーがソーセージの1種で、羊の腸だとウインナーですが、牛の腸ですとボロニア、豚の腸ですと、フランクフルトと言うそうです」




「そうなんですか」




こういうものを全部ウインナーと思っていた。そういえばコンビニとかにあるやつはフランクフルトだもんな。




「恵さんはよくご存じですね」




「ええ、普通の勉強をしていない分、一般教養は学んでおかないといけませんから」




こういうところは尊敬できるな。




「そして優様のぺ○スが、ウインナーからフランクフルトになって、そしていずれはボロニアになるのを楽しみにしております」




両手を頬にあててうっとりとしながら、ボロニアソーセージを見ていた。




その大きさを見て、俺は自分のものに不安を感じてしまった。








17話  安全です






「今日はよいメロンがありましたので購入してきました。おやつにいたしましょう」




とある休みの昼食後に、恵さんがメロンを持ってきてくれた。




「美味しいですね。このメロン」




「ええ、アンデスメロンです。マスクメロンに味が似ていて、その割には安いので私も好きです」




恵さんは高級料理よりも、庶民派の料理を好んでいるので、たまにあえて安いものを買ってくる。




一応押切家の息子ということで、時々はいいものは食べているが、俺もそこまで凝った料理よりは、家庭の味の方が好みではある。




「なんか安心しますね」




「そうですね。アンデスメロンですから」




「へ?」




「アンデスメロンは元ネタが、病気に強くて、値段も安いことから安心ですメロンとなって、そこからアンデスメロンになったんですよ」




「アンデス山脈は関係ないんですか?」




「はい、思い切り日本産です」




「ちなみに今日の私はアンデス恵です……」




「なんのことですか?」




「4日ほど前まではキケンデス恵でした……」




「……どちらにしても俺は襲いませんからね」




メロンは美味しかったが、そんな話はやメロンってね。








18話 ようやく雨が降る




「今日はようやく雨が降ったか」




事前情報でも聞いていた通り、今年は雨が降る気配がほとんどなく、場所によっては水の規制が入るほどであった。




今日から降る雨はどうやらしばらく続くようで、夏に向けて一安心とニュースでも言っていた。




「雨が多いと大変だよな~」




今日は学校が休みで、俺は家から出ていないが、恵さんは車で買い物に出ている。




基本的に雨というのは、動きにくいものである。だが、必要なものだから我慢しなくてはいけない。




「しばらくは我慢だな。恵の雨なわけだし」




ガタッ!




ふいに後ろから音がしたので振り返ると、恵さんが買ってきた食材を落としていた。表情もいつもの無表情ではあるが、動揺が落としたことと、手が震えていることでうかがえた。




「ど、どうしたんですか?」




「め、恵って……」




「あ、違います。恵さんのことじゃなくて……」




俺が呼び捨てにしたと思って動揺しているのか。




「恵の雨と我慢って……、私が昨日まで尿意我慢プレイを楽しんでいて、ついさっき出してきたことを知っていて、それを暗喩しているのですか!? ああ、優様にばれていたなんて……、でもそれはそれで……」




尿意を我慢するのは、健康に悪いので禁止にしました。

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