俺と恵さん 4mlの○液
10話 コスプレ?
「恵さんのメイド服って、種類多いですよね」
恵さんは1週間のうちに4回くらいメイド服が変わる。
もちろん毎日洗濯するのだから、厳密にいうと同じメイド服を着るわけはないのだが、毎回メイド服そのものが変わるのである。
1つはいわゆるヴィクトリアンメイド服と言われるロングスカートのメイド服。
露出が少なく、装飾も少ないシンプルなメイド服である。
1つは、着物ベースにフリルとエプロンのついた和風メイド服。
基本的に露出の少なさは普通のメイド服と同じなのだが、胸部だけは妙に露出が大きかった。
1つはエプロンドレス型のメイド服なのだが、肩と脇が露出しているノースリーブのメイド服。
最後の1つは、ミニスカートのメイド服。装飾はシンプルだが、太ももの付け根まで見えるスリットが色っぽい。ちなみに俺はこれが1番好みである。
恵さんもこれがお気に入りなのか、冬でもよくミニスカメイドになってくれる。
なんでも『寒いときに足が寒いと気持ちいいんです』という発言だったが、俺はその恰好が好きなので、これについてだけは突っ込まないでおいた。
11話 ちょっと出かけてくる
「ぶらぶらしてきますね」
菊井と遊ぶ約束があったので、恵さんにそう言って外にでる。
「ただいま」
5時間後、家に戻ってくる。
「優様、どうぞ」
すると急いで恵さんが玄関に走ってきて、トランクスを差し出す。
「どうしてトランクスを渡すんですか?」
俺はその行為の意味が分からず、恵さんに尋ねる。
「ぺ○スの曲がりを心配して、ぶらぶらさせに行ったんですよね。思春期の時期にぺ○スを変に固定させると曲がりますから。ですが、優様は意外と汗っかきですから、ズボンの直穿きは衛生面で問題があると思います。ですから、はきましょう」
「違いますよ。俺はノーパンじゃありませんから!」
えらい血相抱えて走ってくるから、大変な事態かと思った。
「そうでしたか。残念です。ならば、警察沙汰ですね」
「なぜです?」
「ブラジャーを盗みに行ったんですよね」
「俺はブラジャーを盗むことを、『ブラブラする』という把握はしてませんから大丈夫です」
この人の前では迂闊な発言ができない。
12話 近い近い
「優様、おはようございます」
恵さんは結構距離感が近い。
目が覚めると毎回ピントが合わないほどドアップの顔が見れる。
いい香りと共に毎回起きれるので、俺の朝は毎回目覚めがいい。
だが、この人は俺の生活習慣を気にしているのか、休みの日でも俺を起こしに来る。
休みの日は別に起きる必要性がないので、起こされても起きない。
すると恵さんは、掛け布団を剥いで、俺に跨って起こそうとし始める。
俺の好きなミニスカメイドだと、太ももが触れて気持ちがいい。朝立ちが明らかに恵さんに当たって、すごく申し訳ない気持ちと、いい気持ちになる。
それでも起きないでいると、恵さんは最後の手段に出る。
俺の背中に回って、俺を思いきり抱きしめてくる。
大きな胸が背中でつぶれてこれまた気持ちがいい。
この感触を味わっていたいのだが、ここで起きないと大変なことになる。
1度だけ本当に眠くて、この時点でも起きなかったことがあるのだが、すると恵さんは俺のぺ○スを右手でつかんだのである。さすがにあれは1発で目が覚めた。
しかも、太ももと胸を押し付けられた究極の朝立ち状態でそんなことをされたため、ついうっかりイってしまったのである。
この胸を押し付けてもらえるところから、俺の大事な部分を触る前に、一瞬背中の感触が緩むので、その瞬間に起きる。
これを繰り返して、俺と恵さんの週末の朝は始まるのであった。
13話 外に出してはいけない人
「押切君! 一緒に帰ろうよ」
「押切さん、今度良ければ一緒にどこかに行きませんか?」
俺の周りには時々女子が来てくれる。
良くも悪くも俺は資産家の1人息子ということもあって、女子からは意外と好かれる。
もしかしたら、そんなこと抜きで俺を好いてくれる人もいるかもしれないが、どちらにせよ関係はない。俺が将来伴侶としたい人は1人しかいないのだから。
「あ、優様。女子に囲まれて楽しそうですね」
俺が女子に声をかけられるのは毎日というわけではない。だが、女子に声をかけられる日に限って、恵さんがなぜか校門の近くに現れる。
しかも、毎回とてつもなく不機嫌そうなのである。
そこにどういった感情が入っているのかは俺にはわからない。だが、俺が女子に囲まれているのを、嫌そうな表情で見ているのは、ちょっと俺はにやけてしまう。
「優様、数の子探しですか?」
そのにやけているのを、俺が女子に囲まれていることが原因だと思っているのか、毎回ぎりぎりの下ネタを言ってくる。
その時に、女子の反応はまちまちなのだが、さすがにいたたまれないので、逃げる。
「では帰りましょうか」
その手には荷物も何もなく、車もない。
毎回何の用事かと聞くのだが、毎回たまたま通りかかっただけという。
毎日校門の近くにいるのではないかと思い、探すのだが、見つけたことはない。
本当に偶然なのか、俺が見つけられないだけなのか。それは悪魔の証明ということだろう。
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