俺と恵さん 3Pはロマン

7話 包茎




「優様は今でも包茎なのですか?」




2人で部屋にいるときに、恵さんのした質問に、さすがに絶句した。




「いえ、時々見ているのですが、どうも頭が見えないんです。仮性包茎でも、通常は見栄をはって、いったん剥いてあると聞きます」




「まず見てたことを知りませんでした」




「包茎自体は恥ずかしがらずともいいのです。日本人の7割は包茎なのですから。ただ、もし真正包茎か、カントン包茎でしたら、大変なので、もし大丈夫なら、サインとしてお風呂に入っているときは剥いてください」




「それを見るんですか?」




「もろちんをもちろん見ます」




「うまいこと言わないでください。見ないでください」




「ですが、真正包茎とカントン包茎は健康保険こそききますが、雑にやられて傷が残るそうですし、美容整形でやると、最大16万円かかるそうです。きちんと情報は……」




「大丈夫です! 仮性包茎です!」




4歳年上のメイドの前で、自分の状態を話す。なんという羞恥であろうか。






8話 立ってるならいいですね






「つまり、勃起状態であれば頭を出しているというわけですね」




「え、この話続くんですか?」




「もちろんですよ。病気になる恐れがあります。必要であれば、私が洗いますよ」




「必要ないです!」




「ですが、洗ってない可能性があると思うのです。通常ぺ○スの皮を剥いて、敏感な中身を洗えば、たぶん立つはずなんですよ。なのに、ずっと平常時の状態ですし、ほっといたのではないかと思いまして」




「洗ってます。大丈夫ですから」




「そうでしたか、やはりさすが優様。教えていないのにきちんとやっておられるのですね」




どうしよう。褒められているのに全然うれしくない。




この人は俺と男としてみていないのではないか? 小さいころから世話になってはいるが、すでに俺も16歳。今年20歳になる恵さんには子供同然なのか。




確かに俺からみて12歳が恋愛対象になるかと言われればならないが、12歳と16歳、16歳と20歳ではまた意味合いが異なるだろう。




ただ恵さんは173センチあって、俺とほとんど身長が変わらない上に、姿勢がいいから、恵さんのほうが大きく見えるくらいだ。




せめて俺のほうが身長が大きくなれば。と思うのであった。






9話 ああ愛しきメイドさん




俺は正直言うと、恵さんに恋している。




恋心を自覚したのは9歳くらいだったから、恵さんが13歳のころ。




既にそのときに恵さんは身長も大きくて、女性らしいスタイルになっていた。




同学年の女子など目に入ることはなく、ずっと彼女を見ていた。




俺はその時に告白したのだが、9歳の告白などやはり子供の発言ということで、流されてしまった。




だが、絶対に恵さんをお嫁さんにしたいという気持ちはその時に強く持った。




それから7年経っても全く気持ちは変わらなかった。




ちなみに彼女が下ネタを激しく言い出したのもこの頃である。




俺は恵さんについていこうと、勉強して、きちんと突っ込みをできるようにした。




だが、いつもふざけてばかりで、まじめな話をしようとすると、はぐらかされる。




嫌われてはいないと思う。だが、問題は1人の男として見てもらえているかということ。それだけである。








9話B 恵サイド




「失礼します」




私は家に誰もいないことを知ってたが、優様の部屋に入るのに、毎回声をかける。




別に掃除をするわけではない。優様はとても整理整頓をきちんとされていて、高校生の男子の部屋とは思えないほど、小綺麗にされている。




だけど、優様がいつもいる部屋はどれだけ綺麗にしても優様の香りがする。




(すんすん、優様の香り……)




特に枕はとても優様の香りがする。とても安心できる香りだ。




そのまま枕を抱きながら、部屋にあるエッチな本を確認したり、ちょっとだけ掃除の行き届いていない場所を掃除したり、最近の趣味を確認したりするのが、もはや日課になっている。




優様のことは2歳の頃から知っている。ご主人様であるのと同時に、大切な弟で、幼馴染で、ある意味では子供のようでもある。




小学校や中学校の入学式、卒業式、授業参観、進路相談など、本来親がやることを私が代わりにやってきた。優様を育ててきたのは私であるという自覚もある。




恋心はいつから自覚したのか。




成長していき、たくましくなり、魅力的になっていきましたそして、私が性に目覚め始めて、友人が少なくなったころに、私と話すために勉強してくれていたこと、知っております。




私は13歳の頃に、あなたが好きになりました。4歳下とは思えないほど、9歳にして頼りがいがありました。




ですが、私はあなたと結ばれるのは難しいのでしょう。




ただでさえ4歳も年上なのに、173センチの高身長はかわいらしい女子らしくないです。


加えてあなたは両家の跡継ぎ。




高校にも行っていない私が釣り合うとは思えません。




それでも、ずっと一緒に居させてもらえさえすれば……。




ずっと……? 優様が私以外の誰かとご結婚なされて、その様子を横から私が見ている……?




気が付くと枕が濡れていた。もちろん涙で。




いけないです。掃除をするならまだしも、汚してはいけないです。それにそろそろ優様が帰ってこられます。ばれないようにごまかしておかなくては。

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