第4話 たとえるのならば、私。

薄っぺらな、軽口。

薄っぺらな、笑顔。

そんな薄っぺらい物を集めて

私は、人の群れの中へ入り込めていると

何の疑いもなく、思っていた。


その薄っぺらな物たちは、

私の自我を侵食してくる事はなく

どんどんと、剥がれ堕ちていくだけだった。

少しづつ、群れからも抜け堕ちる。


気付くと、そこは。

上も下も右も左も

とても狭いような、けれども果てしない。


そして、元いた場所へと還っていく。

何もないような無限へと。

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虚無 橘 雨月 @akorin74

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