第4話 何気ない日常

「アリス」

「何?お兄ちゃん」

「お風呂はどうする?」

「入れてくれるの?」

「ああ」

「ありがとう。じゃあ、入ろうかな」

入り方は、わかるのか?


「お兄ちゃん、一緒にはいろ」

「兄妹だとしても、それはまずい」

「いいじゃない。お兄ちゃん」

根負けして、入ることにした。


かなりのナイスバディだった。

うちの家族は、お袋を除き、スレンダーだ。

少し、不安になる。


「向こうのお風呂は、露天風呂みたいなんだよ。

だから、憧れてたんだ。こういう家庭の風呂に・・・」

「そっか・・・」


そのあと、アリスに寝てもらう部屋に案内した。

「お兄ちゃん、ここは?」

「お袋の部屋だよ」

「ママの?」

「うん、とりあえず、ここで寝なよ」

「いいの?」

「うん、当分帰って来ないから」

「ありがとう。お休み。お兄ちゃん」

「うん、お休み」

そう言えば、気付かなかったが、アリスは小さな鞄を持っていたな。

あそこに、全部入っているのか?


アリスが言っていた通り、彼女はこの世界の常識やしきたりを、

全て把握しているようだ。


基本の生活の心配はないだろう。


翌朝


台所で料理をしていると、アリスが降りてきた。

「お兄ちゃん、おはよ」

「おはよう、アリス。眠れたか?」

「うん」

アリスは席に着いた。


「今、用意するからな」

「お兄ちゃん、ごめんね」

「兄妹なんだろ?気にするな」

「うん、お兄ちゃん、優しいね」

食事をしながら、アリスと話す。


何でもない家族の会話だが、忘れていた・・・


「アリス」

「何?」

「今日、買い物に行くぞ」

「えっ、でも」

「いつまでも、着たきりスズメじゃまずいだろ?」

「でも、私そんなに、この世界にいられないよ」

「構わないよ。少しでも、思い出を作らせてくれ」

「うん」


そして、アリスと買い物に出かける事にした。

学校も休みだし・・・

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