83話「遊園地3」
次に乗るのはメリーゴーランドだった。高校生が乗るような乗り物ではないような気がするけど、みんな楽しんで乗っている。
「なんかここにいると保護者の気分だ」
僕は恥ずかしかったから乗らずに外でみんなの様子を見ていた。みんなそれぞれの馬に乗って上がり下がりを楽しんでいる。
皆がメリーゴーランドから降りてきた。
「次何行く?」
「じゃあ手始めにバイキング行こうよ」
「いいね」
「え⋯⋯」
バイキングってあの振り子のやつでしょ?キツイキツイ。
「先輩今度は行きましょうね」
「あ、はい」
拒否権はなかった。我慢しよう。
バイキングにやってきた。食べる方ならどれほどよかったか。これお腹にGがかかって吐き気がやばいんだよね。子供の頃家族で遊園地に行って乗った時普通のバイキングだと思ったらスーパーバイキングで死にかけたから軽いトラウマ。
「やっと順番ですね」
「帰りたい」
「我慢してください、これ終わればお昼ですから」
「この後にご飯は無理だよ!」
超臆病になってしまうけど苦手なものはしょうがないじゃないか。
「じゃあ一番後ろじゃなく真ん中にしましょう少しは楽なはずですよ」
「わかったよ」
バイキングが動き出す。前、後ろと交互に動いて浮遊感が⋯⋯お腹が苦しい。
「わーい」
「ヴぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
魂が抜けたような叫び声を上げながら終わるのを必死に待つ。
それから5分くらい揺られやっと終わった。
「先輩絶叫系苦手なんですね」
「そ⋯だよ」
腹にかかるGのせいで吐き気が酷い。これはお昼もまだ無理そうだ。
「先に⋯いってていいよ、僕はまだ動けないから」
近くのベンチに座って体調を整える。
「⋯」
佐宮さんがベンチのもう一方の方に座った。
「私も残りますよ、せっかく4人で遊びに来てるんですから、1人抜けるのはなしです」
佐宮さんの発言を聞き残り2人も隣のベンチに座る。
「あはは、ありがとう」
「30分休憩しましょう」
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