82話「遊園地2」

 遊園地『竜宮城』

 今日僕達が来たのは名前の割に竜宮感がない遊園地だ。竜宮城なんて名前つけるなら水族館だろと思う。


 この竜宮城、有名なのはジェットコースター。水が打ち上がるエリアを通るので濡れるから濡れてもいい服装を準備するのがいいとのこと。

 ちなみに僕は絶叫系が苦手だ。


「何乗るー」


「とりあえず絶叫系は全部行こうよ」


 女子は絶叫系好きが多いよね。全部とかやめて死んじゃう。


「私は絶叫系よりホラーがいい」


「お化け屋敷かー」


 ホラーなら大丈夫。あれは行ける脅かすだけだし。佐宮さんいいチョイス。


「先輩はどこ行きたいですか?」


「お化け屋敷で」


 ここはお化け屋敷を選択すれば絶叫系は回避できる。佐宮さんの案に乗るしかない。


「じゃあお化け屋敷行こっか」


「「さんせー」」



 お化け屋敷はやっぱり遊園地の中でも以外に人気だから結構人が並んでる。最後尾が30分待ちだった。まぁあとすこしで入れるので大丈夫。


 お化け屋敷、古い屋敷でよく墓地とかと一緒にあると映えるようなお化け屋敷だ。

 ゾンビと言うより白装束で三角巾とか骸骨とかが沢山出てきそうな屋敷。


「雰囲気ある」


「なんかホンモノも混じってそう」


「ちょっと辞めてよそんなこと言うの」


 確かにこれはクオリティが高い。少し甘く見てたかも火の玉がフワフワ浮いてて、骸骨も動き出しそうな形で止まってる。白装束で長い髪の女の人が這ってたりして随分徹底してると思った。


 しまいには


 「「「きゃぁぁぁ!!」」」


 天井からチェーンソー持ったあの仮面を被った男がぶら下がって落ちてきたのだから、絶叫だ。3人は全力疾走で出口向かって走ってった。

 僕も流石にビビって硬直してしまったけど3人のあとを追いかける。


 「ハァハァ⋯⋯」


 「ハァハァ⋯⋯フゥフゥ」


 「怖いよぉぉぉ」


 3人はお化け屋敷出口前で息絶え絶えの状態だった。


 「いやー大丈夫か?」


 「怖すぎですよ」


 「なんであんなにリアルなんだよ」


 「最後のはもう無理です」


 みんな楽しんだようでよかった。


 「さて次はどうする?」


 「次は落ち着いた奴にしよう」


 「まだ心臓ばっくんばっくん言ってるから賛成」


 「絶叫系は休憩してからー」


 僕としてはよかった。絶叫系が後回しになった。いや、結局後回しか、乗ることには変わりないな。はぁ⋯⋯。



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