43話「朝の静寂」
次の日。
空は雲ひとつない青空で僕らにとっては最高の天気だ。
朝はバイキング形式の朝食で、起きた人から食べている。僕は結構早くに起きたので、うちの生徒はまだそこまでいない。
まぁ、なぜ早く起きたかというとクラスメイトの1人のいびきがうるさくて寝ていられなかったっていうだけだ。
時間も時間なので早めに朝食を食べることにしてレストランにやってきたわけだ。
レストランにやって来て朝食を食べて今日の班行動について考えていると隣に座る人がいた。
ちらりと横目で見ると、長嶺さんだった。
「おはようございます」
「おはようさん」
朝の挨拶だけしてそのままご飯を食べ始める。別にコミュ障じゃないよ。挨拶と質疑応答くらいはできる。
「今日は静かやな」
「え?僕ってそんなにうるさいイメージあった?」
「ちゃうよ、こんなに朝早くだと誰もいなくて静かだって思ったんや」
「そういうことか、まぁ学校なら教室にいけば賑やかだったもんね」
「せやで、今なら何してもいいんちゃうか?」
「いや、ダメでしょ」
誰もいないと言っても一般客はいるし、朝なんだから誰が起きてきてもおかしくない。それにレストランでやることなんて飲み物を混ぜるとかそんなものくらいしかないだろう。
ちなみに僕は紅茶とコーラを混ぜるのが好きだ。炭酸紅茶って感じだ。
「ダメかぁ、ならこの後散歩でもせーへん?」
「まぁ、いいですよ、全然時間ありますし」
「ならはよ食べて行こか」
そして僕と長嶺さんは朝の散歩に出かけることになった。
散歩と言ってもホテルの外に出ても普通の街並みだし、まだ開いてない店が多数、少量の交通量、まだ人々が動き出そうとしている時間帯。
世界の時が止まったかのような時間に僕と長嶺さんは歩く。朝早く歩く事でこういった普段は感じることの無い感覚を味わうことが出来る。
「まだ誰もいませんね」
「ほんまやな、こんなに静かやと不思議な気持ちになるわ」
「わかりますよ」
「こうも静かだと叫びたくなる」
「それは迷惑になるのでやめましょう」
「ちぇ~」
「それでこの散歩は目的地はありますか?」
「そんなもんあるわけないやろ」
「ですよね・・・」
それから僕と長嶺さんは1時間くらい散歩をしてからホテルに戻った。
お互いロビーで別れ、僕は自分の部屋に戻る。戻ったらもうみんな起きていて、それぞれ準備しているところだ。僕もそれに加わり準備を始めた。
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