42話「真っ赤」
あれから麻那辺さんを連れクラスのみんなと清水寺に向かった。
境内は標高242メートルの清水山中腹に石垣を築いて整地され、多くの建物が軒を接するように建ち並んでいる。
さらに本堂には清水の舞台というものがある。
山の斜面から飛び出て作られている。よく覚悟を決める時とか決断する時に『清水の舞台から飛び降りる』なんて言ったりする。
「やっと着いたで、京の都といえば1番の有名な清水寺」
「私もテレビとかではよく見たけど実物は初めてだよこの景色も凄いね」
僕達が今いるのは清水の舞台だ。そこから見える自然とその向こうに見える街並み。これが秋なら紅葉でさらに綺麗だったろう。
「よし、俺は清水の舞台から飛び降りるぜ」
「大樹、あんまりふざけてると怒られるよ」
「そうだぞ」
「げ、先生」
「盛り上がるのはいいがここには他の観光客もいるし、迷惑をかけるようなことはしないように」
そして先生は見回りとして先に行った。
この季節他の学校からも修学旅行のため来ている団体をさっきも見た。なので結構人がいる。
また麻那辺さんが迷子になっても困るので、注意しておかないとかな?
「麻那辺さんも迷子にならないように気をつけてね、ここさっきより人多いから」
「また人を子供扱いして・・・」
そう言った麻那辺さんだが、なにか閃いたような顔をして
「なら手を繋ごうよそうすればはぐれないよ」
「なっ!」
「ほほう」
「これは一本取られたな玲央」
まさかそう返してくるとは・・・少しは考えていたけど、どうしよう・・・・・・。
「さぁ相澤君」
「・・・わかりました」
自分で言ってしまったことだし、ここは手を繋いでおこう、クラスメイトからは痛い視線が刺さるが・・・。
「はい」
うわ!暖かい、なんか照れくさい顔真っ赤な気がする。
「ははは、玲央顔真っ赤だぜ」
「麻那辺さんも真っ赤だよ」
「「うるさい(わ)」」
こんなの小っ恥ずかしいわ。茶化してくる連中もうるさいし、やめていただきたい。
「はぁ、行きますよ麻那辺さん」
「わ、わかったよ」
そして僕と麻那辺さんはぎこちないながらも手を繋ぎ清水寺を見て回った。
それからお守りを買おうってことになり、神札授与所に立ち寄る。
「んー御守りか、何がいいかな?」
「僕は普通の御守りにしようかな」
「へぇ、普通って?・・・じゃあ私は恋愛成就のお守りにしようかな」
「じゃあ買うか」
僕はこっそり恋愛成就のお守りも買っておく。
それから時間が来たので清水寺での、参拝を済ませそのままホテルに行く。清水寺出る時には手を離した。緊張した~。
ホテルは結構広い。僕は大樹とクラスメイト2人の部屋で休むことになった。
明日は班行動なので今日は早めに休むことにした。
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