44話「恋愛神社」

「よーし、おまえら準備はできたか〜」


  先生の確認事項は2つ。


 ・まず6時までにはホテルに戻ること。


 ・人に迷惑をかけずに常識ある行動をする。


  まぁ当たり前の確認だった。1番大変なのは6時までに戻ることだろう。でも僕達の予定は結構余裕があり電車の時間さえ間違わなければ1時間くらい余裕はある。


「じゃあ行ってこい!」


  こうして2日目、班行動が始まった。


「さてと、まずは恋愛成就の神社に行こうか」


「おっけい」


「レッツゴー」


「ほな行こか」


  電車に揺られること20分。この都で恋愛ごとならここに行けと言われるほどの神社に着いた。

  とりあえずまずは参拝からやろうってことになりそこそこ並んでる列に並ぶ。

  それから僕達の順番になった。僕は五円玉を入れてお願いする。


  『これからどんな結果になろうと仲が悪くなりませんように』

 

  こんなのは自分次第だけど、どちらかを選びどちらかと不仲になる。そんなことにはなりたくない。せっかく仲良くなれたんだからこれからもそうなったらいいなって、せっかくだし神頼みしてみる。


  長嶺さん、七瀬さん、宮森さんも終わったみたいなのでそのまま授与所に行き、恋愛成就のお守りを買う。昨日も買ったけど、重ねた方が効果出そうだしいいでしょ。


「相澤はなんてお願いしたんや」


「言いませんよ」


  話すのなんて恥ずかしいし、それに言ったら叶わないなんて話もあるし言わないと思うけど・・・。


「じゃあ七瀬は?」


「私は恋愛についてだよ」


「そりゃそうでしょ、ここに来た意味ないじゃん」


「あはは、教えないよ」


「なら宮森は?」


「あたしはテツくんとこれからも仲良くって」


  あーあ、まさか言っちゃうなんて知らなかったのか、天然なのか。


「言っちゃった・・・」


  七瀬さんが頭を抑えてやっちゃったねーなんて顔してる。


「え?どゆこと」


「いや、言うと願い事は叶わなくなる的な噂もあるので」


「ええぇぇ、言っちゃったよ〜・・・あ、長嶺ちゃんは~?」


  ここで長嶺さんに聞いても答えてもらえるわけないのに、からかわれたのが余程ショックだったのか・・・。


「ウチ?ウチはなぁ・・・・・・教えへん」


「むーーケチ、いじわる」


  意地悪って・・・まぁ意地悪いのは事実だけど、わざわざ自分のお願いを言うことなんてないからな。


 「あはは、ごめんごめん、詫びに市場でなんかお菓子買ってあげるから許してくれや」


 「・・・甘いもの」


 「わかった、まかせとき!」


  お菓子で機嫌を取ったよ長嶺さん・・・というか宮森さんは甘いもの好きなんだな。

  宮森さんもお菓子に釣られ機嫌が戻ったので、そろそろお昼になるし市場の方に向かって昼食を取ってから市場を見て回ることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る