37話「休み時間」
僕はあれからベランダに飛び出してそのままベランダ沿いに逃げる。後ろからは数名追いかけてきているのがいる。
このベランダには非常用として左右に階段がある。そこを使って1階に降り、そのまま逃げる。
後ろからの追っ手を確認しながら廊下を走っていたけどどうやら諦めたらしい。そのまま曲がり角を曲がって少し休む。
教室に戻ればさっきの繰り返しな気がするけど次の授業が始まるまではここで休もうと思い腰を下ろす。
「ふんふんふーん」
誰かが鼻歌歌いながら近づいてきた。そしてそいつは曲がり角を曲がり僕にぶつかった。
「え?なに?」
「いてて、誰だ?ん、佐宮さんか」
「あれ?先輩じゃないですか、こんなところで何してるんですか?」
なんて答えるか迷ったけどここは正直に!!
「逃げてます」
「は?」
「追っ手から」
「はぁ、そうですか」
何故だろう、若干引かれてるような気がする。
「先輩は最近本読んでます?」
「いや、最近は読めてないな」
「そうですか、じゃあ先輩の好きなドラゴンキラーこの前書店で新刊見ましたよ」
「そうだったのか、ありがとう。後で買いに行く」
僕は逃げる為に出てきたけど思わぬ収穫があった。今日は本屋によってから帰ろう。そんなことを思いながら教室に戻る。
教室を開けて中に入っても誰も質問してこない?どゆことだ?麻那辺さんがなにかしてくれたんだろうか?
「麻那辺さん、さっきのことは収まったんですか?」
「あ、相澤君おかえり。一応収まったのかな?」
「そうですか、ならよかったです」
こうして話をしていると後ろからまた長嶺さんが話しかけてきた。
「いやぁ、すまんなからかいすぎたわ」
「別にからかう以前にまだ付き合っていませんよ」
「そうやったな、まだ半年もある。気長にやって行こうや」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます