33話「LHR」
今年もこの季節がやってきた。そう修学旅行の季節だ。去年もやったけどあまりいい思い出がない。
僕達の学校の修学旅行は学年での行動と班行動と男女ペア行動がある。学年行動はどの学校でもある奴だから問題は無い。班行動も大樹のグループに入れてもらって何とかなってた。だがこの男女ペア行動には僕はいい思い出がない。
男女ペア行動、名前の通り男女ペアになって色んなところを回るらしいんだけど、僕は女子に仲のいい子がいない。だからペアになってくれる女子もおらず、余ってる人同士で組まされ、思い出のできない時間だった。
「そろそろ修学旅行だな」
大樹は多分彼女と回ることになるだろう。学年が同じなら男女ペア行動に関しては誰と組んでもいいことになってる。
「そうだね、僕はそこまでだな」
「今年の玲央なら大丈夫だって」
「たしかにね」
「でもどっちと組むんだ?」
その通り。今年の僕は麻那辺さんと長嶺さん2人も仲良い子がいる。でも1人としか組めない。
「先に誘われた方かな?僕からはさすがに行けないから」
「そんなもんかね~まぁ玲央がそれでいいならいいけど」
普通は男子から誘ったりするだろうけど僕の場合ダブル告白されてるから無理だね。
そんなことを大樹と話していた。
次の日。
「お前らいいか今日のLHRは修学旅行についてやって行くからな」
イベント事には熱心な担任。今日も元気だなー。
「じゃあまず今年の俺らのクラスが行く場所は京の都だ。歴史的建造物が多い場所だな。」
京の都か、まぁありきたりの行き先だな、僕は中三の時にも行ったことがあるからこれで二回目だ。
「そこでだ。まずはクラス全体で行く場所を決めておくぞ、どこか行きたい場所はあるか?」
先生の言葉で様々な意見が出てくる。金の寺や銀の寺、千の鳥居がある寺など。
そこからしばらく話し合って行く場所は金の寺、清水寺の2箇所になった。
「おーし、じゃあ初日はそんな所かな、次は班行動についてだ、これは次の時間までに班を決めて紙に書いて提出しろー」
「それから男女ペア行動も決めておくように、これはクラスが違っても大丈夫だからな」
そう先生が言ったところで、時間が来て授業が終わった。
休み時間に入った途端クラス中から班行動のメンバー集めなどが行われていた。
僕は大樹のところに混ぜてもらう感じになるかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます