第21話「ゴールデンウィーク2」

 起きたらお昼前だった。昨日夕飯の時に姉さんが僕が告白されたことを言ったら超盛り上がってしまい、結構遅くまで騒いだ。両親は先に休んでしまい、片付けは僕と姉さんでやったから寝る時間も遅くなり、起きるのも遅くなったというわけだ。

 もうお昼だし、朝と昼は一緒だな、そんなことを思いながらリビングに向かう。


「おはよう」

「あ、玲央おはよ、待っててねもうすぐお昼ご飯できるから」

「わかった」


 その間に顔を洗いに洗面台に向かう。顔を洗い終わり、リビングに戻れば、ご飯ができている。

 今日のお昼はラーメンだ。カップではなくインスタントだ。


「いただきます」


 少し早めのお昼兼朝食を食べる。食べてると姉さんが話しかけてきた。


「玲央は今日どうするの?」


 今日か、特に予定もなく、結局ゴロゴロするだけになりそうだ。姉さんが何かするならその手伝いくらいだろうか。


「特にないよ、姉さんは?」

「私はちょっとお祭り行こうかなって思ってるけど」

「あーーそういえばそうだね、僕もついて行くよ」

「ほんと!?ありがとう!」

「じゃあ準備してくるね」

「うん、30分後に玄関集合ね」

「はーい」


 僕は自室に行き、支度を整える。

 姉さんと行くお祭りは毎年GWになると開催される。鯉のぼりがそれぞれの屋根上から泳いでいる。お祭りの中心部に行けばでっかい棒から一際でかい鯉のぼりが泳いでいる。僕達が子供の頃からずっと行っているお祭りだ。僕はここ最近行けてなかったけど、姉さんは変わらず参加していたみたい。


 30分後、姉さんと一緒にお祭り会場に向かった。


「玲央と行くのも久しぶりだね」

「そうだね、2年ぶりかな?」

「見飽きちゃった?」

「たしかにお祭り自体は変わらないからね、でもステージライブとかは少し楽しみだよ」


 このお祭り、GW中やってて特に土日は有名人などが来てイベントをしてくれる。今日は平日なので地元の有志団体がバンドやコントなどをして盛り上げている。


「今日は何しに来たの?」

「特に何か目的があって来た訳じゃないの、毎年来てるから今年も行っとこうかなって思っただけ」

「そっか」

「玲央と一緒に来れたし、充分だよ」

「じゃあ何かおやつとか買って帰ろうか、家の方が落ち着くでしょ」

「そうだね、そうしよっか」


 それからチョコバナナ、焼き鳥、ベビーカステラ、唐揚げなどを買い帰路につく。


「いっぱい買っちゃったね」

「余ったら夕飯に回せば大丈夫でしょ」

「ふふ、それにしても私達がカップルだと思われちゃうとはね」

「あーーあれね、あの焼き鳥屋のおばちゃんか」

「まぁ、サービスしてもらえたし、私は別に気にしないけどね」


 さっき焼き鳥屋に行った時にその定員のおばちゃんが僕達のことを見て『カップルかい?』なんて言ってきた。すぐ姉弟ですと言ったら『あら、ごめんね』なんて言って2本サービスしてくれた。


「姉さんが気にしてないならいいけどさ、というか姉さんは彼氏いるの?」

「どっちだと思う?」


 姉さんが悪戯な笑みを浮かべて聞いてくる。


「姉さん綺麗だし、友達多いからいるんじゃないの?」

「残念!いませんでしたー」

「そうなんだ」

「うん、もう3年なのにねどうしよっか」

「告白とかされてるんじゃないの?」

「されてるよ、でも断っちゃう、ピンとこないんだよね」

「へーー、僕にはよく分からない悩みだな」


 姉さんにもし彼氏が出来たとして僕はそれを祝えるのかな?

 面倒みがよくて頼りになる姉さん。僕の尊敬してる人。そんな人に彼氏が出来る、喜びもあるけど、複雑な気持ちもある。姉さんが選んだ人だから変な人ではないと思う。ちゃんとおめでとうって言えるようにしないとな。こんなに心配になるって僕はもしかしてシスコンなのかな?そんな先の見えない悩みを考えながら帰宅した。


 今日で帰省は終わり。明日には帰る予定だ。

 家族にはまだ半分もあるしもう少しいればと言われたが、課題もあるし、なにより2日後に帰ると言ってしまったから、多分の次か次の日には麻那辺さんが押しかけてきそうである。そのために帰るのは僕も大概変なやつだけど、とりあえず帰ることにはする。まぁ昼過ぎまではゴロゴロしてようかな。


 そんなことを思いながらGW2日目が終わった。



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