第22話「ゴールデンウィーク3」
今日はGW初日、相澤君は実家に帰っちゃった。
だから私は1人で暇してます・・・その予定だったんだけど、長嶺さんから誘われたのだ。せっかくのGWゴロゴロして終わるのもなんか物足りないので遊ぶことにしよう。
そういう訳で私は待ち合わせ場所に出発進行!
待ち合わせ場所は駅前広場、朝の九時に待ち合わせ。なんでこんな早い時間帯なのだろう?店だってほぼ空いてない。
そう思いながら待っていると長嶺さんが来たけど・・・なんでそんな重装備なんだろうか。
「おはよう」
「おはー」
「その重装備は何?どこに行くの?」
「よう聞いてくれた、今日は山登りやで」
「山登り!?私そんな運動出来る格好じゃないんだけど!」
「知っとる、だから今日は持ってきたんよ」
「準備がいい!」
「まぁ、秘密にしてたのは悪い思うてるからな」
「しょうがないなぁ、どこの山行くの?」
「駅で2駅先のちょっとした山だね」
「そっか、じゃあよろしくね」
「はいよ」
それから私と長嶺さんは電車に乗り目的の山がある場所まで行った。
目的地の駅まで着いた。そこのトイレで長嶺さんが持ってきた服に着替える。
「準備出来たよ」
「ほな、行こか」
「おっけー」
そして私達は長嶺さんの言う山まで来た。なんでも私が初心者だから少し緩めの山にしたらしい。それ自体はほんとに助かった。あんまり険しいとついていけなくなってしまう。運動ができるから登山ができると思うのは間違ってそうだし、安全なところから始めたかった。
「どや?結構楽しいやろ」
「たしかに、部活もやってないし、体育の授業以外ではほとんど運動しないから新鮮」
「ウチはたまにこうやって山登るんよ」
「ほんと、意外な趣味だね、ビックリだよ」
「ほんまは相澤と来ようかなって思っとったんよ」
「なっ!?」
「せやけど実家に帰ってしもうたから諦めて、せっかくやし麻那辺さんにも山登りの良さを知ってもらおうと思ったんや」
「そうだったんだ、たしかに山登りは楽しいね」
「せやろせやろ、ウチも最初は筋肉痛なるしかすり傷なんか出来て嫌やったんだけど、だんだん楽しくなったんや」
「やっぱり筋肉痛になるのか、私も明日には痛くなりそう・・・」
「まぁ新しいことにチャレンジするっちゅうのは怖いけどな、やってみれば新しい楽しみも見つかるかもしれん。そうやって楽しみを見つけるのが楽しいから私は新しいことにチャレンジするんや!」
「すごいな、そういうの、私は何も趣味がなくて胸を張って自慢出来ることもない、だから長嶺さんの言う楽しみを見つけること、私もしてみたい」
「じゃあ一緒に頑張って探そか、まずはこの山を登り切ってしまおうや」
「うん!行こっか」
そして私達は3時間かけて山の頂上に来た。頂上にはちょっとした広場があり、ほかの登山客も休憩していた。
「じゃあお昼食べようや」
「そうだね」
そして私達はコンビニで買ったおにぎりなどを食べる。1時間ほどして下山し始めた。
帰りは下りな分、楽に降りることが出来た。
それから私達は元の駅に戻ってきた。
「ふー、どうやった?」
「疲れたよ、けど楽しかった、体を動かすとエネルギーが満ちてくるみたい」
「そらよかった」
「このGWは色んなことにチャレンジしてみようかな」
「なんなら付き合うで」
「じゃあお願いしちゃおうかな、私もどんなのがあるかわからないから」
「わかったわ、明日もここに待ち合わせな、多分筋肉痛やろし、運動系はやめとくわ」
「それは助かる〜、じゃあ楽しみしてるよ」
「まかせとき、ほんじゃまた明日」
「ばいばーい」
それから私達は別々の電車に乗り帰宅した。
自分が今まで体験したことの無いことをするのはとても楽しい。いろんな発見があるし、視野が広がった気がする。このGW中どれだけ楽しいことが出来るか、新しい発見があるか楽しみだ。
相澤君が帰ってきたら、誘ってみようかな。
そんなことを思いながら麻那辺さんのGW1日目は過ぎていく。
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