第19話「昼休み3」
次の日僕は麻那辺さんに学食に誘われた。
断ることは無い。だって昨日約束してしまったから。
「相澤君、学食行こ♪」
この言葉で教室中から視線が集まった。流石麻那辺さん人気者だ。男の僕を誘うのはやはり意外だったらしく、教室は騒然としていた。
「う、うん、わかった」
ちょっと躊躇うが、約束しているから仕方ないと割り切り席を立つ。
その後ろを麻那辺さんが付いてくる。
教室を出たら今度は長嶺さんに捕まった。
「ウチも混ぜてーや」
「麻那辺さんどうしましょう?」
「んー、別にいいよ」
「ほんまに?ありがと」
こうして男1人女子2人という男子からしたら羨ましい状態になっている。2人とも可愛いから注目されている。
学食までやってきた。僕達は昼飯を買い席に着く。
僕は日替わり定食、麻那辺さんはサンドイッチ、長嶺さんはカツカレー。
「長嶺さん結構食べるね」
「食べへんと成長しないからな」
「成長って一体どこを育てる気?」
麻那辺さん怖い、そのガチトーンやめてください。
「どこって、そんなの、なぁ?」
どうしてここで僕に振ってくるんだ!やめてくれ
「相澤君!今のは何!何かあるの?!」
麻那辺さんが怒涛の勢いで聞いてくるー確かに意味は分かってしまったがそれは僕の口からは言えない。
「なんでもないです」
「えー!」
まだ言いたいことがあるようだが、やめたようだ。
「あ、GWがもうそろそろやんな、2人はなんか予定あるんか?」
「GWは多分実家に帰ります」
連休とかはなるべく実家に戻り顔を見せろと言われているので遊ぶ予定でもない限り戻らないといけないからな。
「私は家で勉強かな?特にやることは無いし」
「そうなんか、なら麻那辺さんウチと一緒に遊ばへん?」
「いいけど、長嶺さんは予定ないの?」
「ウチも特にないな」
「ならお言葉に甘えようかな」
女子2人の予定も決まったようだ。じゃあGWは実家に戻り久々に羽を伸ばそう。
「そういえば、相澤はいつ帰ってくるん?」
「多分GW初日から出て2日くらいは向こうにいると思うから3日目とかに帰ってきますよ?」
実家まで駅に乗り3駅先という近場だけど、2日くらいはゆっくりしててもいいはずだ。
「そーかそーか、わかったわ」
悪寒が走ったが多分気のせいだろう。それはGWになって発覚するのであった。
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