第3話「お昼」

 麻那辺さんは何故か休み時間の度に俺に話を振ってくる。嫌とかではないむしろ嬉しいけど、なんで席が隣ってだけでこんなに話しかけられてるのかよくわかんない。


「よぉ、玲央」

「どうした大樹?」

「いや、昼だから学食行こうぜって思って誘いに来た」

「なるほどね、わかった、行こうか」

「おう」


 僕達の学校には学食もある。しかも学生の財布に優しい、大体ワンコインで買えたりする。定食物にすると高くなってしまうのは仕方ない。


「玲央は今日は何食べる?俺は日替わり定食にする」

「僕はカレーにしようかな」

「OK、じゃあ買うか」


 それから僕と大樹はお互いの食べるものを手に入れ、あまり目立たない角の席の方で食べることにする。


「そういえば玲央、今日麻那辺さんからめっちゃ話しかけられてたじゃん」

「確かに話しかけられたな、午前中だけでもめっちゃ疲れたわ」

「いいじゃないか、男子にとってはなかなか話しかけることの出来ない高嶺の花だぞ。話しかけてもらえるだけ有難いぞ」

「そうだな・・・・・・そういえば麻那辺さんまだ彼氏いないらしいね」

「へぇ、あんなに人気だから引く手数多だと思うけどな」

「たしかに、だけど好きな人がいるとか言ってたから断ってるって言ってたぞ」

「なるほどね、麻那辺さんに好きな人か、告白すれば1発OKじゃないのか?」

「それは言ってみたけど、好きな人からはされたいなーなんて言ってたよ」

「・・・・・・・・・そうか(なんとなく予想はできたけど、まぁ様子見だな)」

「さてそろそろ教室に戻ろうか」

 なんか大樹が難しそうな顔してるけどどうかしたのかな?

「そうだな、戻るか」



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