第2話「席替え」
「『さぁ、今日も1日頑張るか!!』なんて思っていたのに、いきなりコレは無いんじゃないかな・・・・・・」
今僕の前には席替えの箱が置いてある。くじを引いてその番号のところに移動する感じだ。
別に席替えが嫌とかではない、大樹以外に友達がいないのでどこになっても一緒なのだ。だけどこれは運があるのか無いのかわからない。
なぜなら学年1の美少女、
麻那辺愛花、学年内なら知らぬものはいないくらいの有名人だ。成績優秀、スポーツ万能、眉目秀麗、欠点がないくらいのすごい人だ。そんな人と隣になった僕は周りの男子からの視線がすごく痛い。
その視線を極力無視しようと決め隣に座ったら麻那辺さんが話しかけてきた。
「こんにちは、これからよろしくね♪」
「よろしくお願いします」
麻那辺さんの笑顔は可愛かったけど、僕は周りからの視線のせいで落ち着けなかった。
1時間目からすでに疲れた。今は休み時間だ、麻那辺さんの隣を狙っている人も結構いたのだろう、そのせいで他のクラスメイトからは羨望、舌打ちなどが聞こえてくるようだ。変わってくれるなら変わって欲しいよ。
「ねぇねぇ相澤君ちょっといいかな」
僕の思いを知らずに麻那辺さんが話しかけてきた。
「どうしたの?」
「えーとね・・・相澤君、彼女は出来た?」
いきなり何言っちゃってくれてるのこの人!その質問は勘違いしちゃいますよ!それから周りからの目がぁ!目がぁ!
「まだ出来てませんよ?」
「そっかぁ、実は私もいないんだよね〜♪」
なんでその情報をわざわざ公開しちゃうの!僕のこと好きですよって事?そゆこと?
いやいやありえない。自惚れるな僕。
「そうなんですか?意外ですね」
「む!?意外なの?」
「え、まぁ、学年1の人気者ですから、たくさん告白とかもされてるのではないかなーと思いまして・・・・・・」
「なるほどね、確かに告白はされてるけど断ってるからね〜」
「そうなんですね、まぁ麻那辺さんが付き合ってるなんて話題が出たら、学校中の騒ぎになりそうですし」
「ん〜まぁ、そんなに広められても困るんだけどね・・・・・・まぁここの校則もあるから余計か・・・」
「たしかに少子化の為とはいえこんな校則までできるとは思いませんでしたからね」
「恋愛経験を積むためだったり、パートナーをもう見つけてしまえってことなんだろうけど、勝手だよね〜」
「そうですね、まだそこまで考えてないって言う人もいるでしょうし、麻那辺さんはまだそこまで考えてない感じですか?」
「ん?そんなことは無いよ?好きな人もいるし・・・」
「へ〜〜!?え!!??」
「どうしたのいきなり大声なんか出して〜」
「すいません、ビックリしてしまったもので・・・・・・好きな人いるんですね、麻那辺さんが言えば普通にOKしてくれそうなものですけど・・・」
「そうだったらいいと思うけど、やっぱり相手からしてもらう方が私は嬉しいから待つ感じかな?」
「そうなんですね・・・・・・」
─────キーンコーンカーンコーン
「あ、授業始まるね、また後でね♪」
「は、はい」
またお話できるのか・・・・・・
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