第2話

どうして高々夢の話をあんなにくどくど拘るのかと聞かれても、その答えは初対面の人間には言えない位の、聖自身が最も恥部と感じて抱えている部分に関係している。その話は長くなる。



聖は身支度を済ませ、今日天気予報では雨が降ると言っているテレビを消し、鞄に折り畳み傘を入れて家を出た。


コンビニに寄る。またきっとだ、と聖は思いながらも素早くツナマヨおにぎりを取ってレジに並んだ。前にはサラリーマン風の男性がスポーツ新聞とドリンク栄養剤を手にし、店員に渡している。すると、そのタイミングで私の方を振り替えって、鼻をすすって怪訝な顔をした。


またか、私は思う。


嫌だ、早く済ませて店を出よう。





「ありがとうございましたー。」



コンビニを出て作業所に向かう。その道中も先程のサラリーマンの顔が頭から離れなかった。





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