7.新型機械ゴーレム


 前回までのあらすじ


 ルアスが率いる軍は敵対領主ギト家の軍を打ち破った。

 機械ゴーレムガンバインの威力は凄まじく、戦場には殺戮の荒野が広がった。

 しかし聖剣士セリカは非道なルアス軍を見限り、ギト家の長子ヴェイルと共に戦場を離脱するのであった。



---


 結論から言うとセリカは逃げおおせた。

 脚を切ったからもう動けないだろと思ってた。

 けどよく考えたらガンバインは飛べる。

 普通に飛んで逃げてった。

 ゲバラって機体に乗ってた敵の偉い人の息子も分が悪くなったと見るや逃げた。

 結果だけ見れば、ルアス軍の大勝利で終わったのだ。



 そして……アイーダのおっぱいは揉めなかった。

 なんか城に帰った後、ルアスに色々問い詰められて殴られたらしく、顔が腫れていた。

 流石にその空気の中「約束通りおっぱい揉ませて^^」とは言えなかった。

 

 大規模な戦争が終わり、俺は領主の正式な部下となりルアス領に腰を落ち着ける事となった。



 そして、いくばくかの時が流れた。




---



 俺は部下と共に街道を更新していた。

 ギト家の領主が逃げ込んだとされる村へ向かっているのだ。


「聖剣士様、新しい機体の調子はどうです?」


 部下である騎兵の男が、へりくだるように聞いてくる。

 俺はルアスの正式な部下となった。

 聖剣士はかなり地位が高いらしく、俺には給料としてルアス領の土地が与えられた。

 そして、軍の隊長の一人として数十名の部下を任されるようになった。


 つってもただの高校生に用兵の何が分かるわけでもないので、熟練の男を一人副官として与えられた。

 実務はその副官のおっさん、実力行使はこの部隊唯一のゴーレム乗りの俺の役目というわけだ。



「まぁまぁだな」


 ガション! ガション! と、ゴーレムの歩行で地面が揺れる。


 俺は新しい機械ゴーレムを与えられた。

 ドーガと呼ばれるその褐色の期待は、ずんぐりむっくりしてて凄く格好悪かった。

 ガンバインが清廉な白騎士だとしたら、この俺が今のっている"ドーガ"はクラスで虐められてるチビデブみたいな感じだ。

 だが、その太った体が有する重厚な装甲は、ガンバインより安全性が高まっているようにも見えた。



「羨ましいですよ、我々の魔力じゃ乗りこなせない」


 ガンバインに代わる機械ゴーレムとして量産が進んでいるらしいが、とりあえず俺に配備されたのだ。

 俺のガンバインは、俺の魔力が強すぎてセリカのガンバインを倒した際にぶっ壊れた。

 どうやら魔力を注入しすぎて魔力を動力に変換する装置が故障してしまったらしい。




「お前達、目的の村が見えたぞ。さぁ仕事だ!」


「「「おうさ!」」」俺の号令に、兵士達は応えた。





---ギト領 とある寒村




「ギトの領主を匿っている者は正直に言え! 隠すとタメにならんぞ!」


 部下の兵士達が、村人数十人を広場に集めて整列させていた。

 俺達の仕事はギト家の残党狩り。

 その一番重要な的である領主を探しているのだ。


 武装した兵士に囲まれた村人たちはその恐ろしさにぶるぶる震えている。


「お武家様、我々はただの村人です、何も知りません。どうぞお帰り下さい」


「ほう……そういう態度を取るならこちらにも考えがあるぞ?」


 そして、兵士達の尋問は凄惨を極めた。




「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁああ!」


「ほうら、熱いだろう、もう片方の目も焼かれたいか!?」


 兵士は村人を押さえつけ、目に焼いたロングソードを押し付ける拷問をした。

 肉の焼ける臭いが辺りに立ち込める。

 俺は機械ゴーレム、ドーガの前扉をあけてそれを眺めていたが。


「ぎぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!」


 猛烈な叫び声にはうんざりした。

 しかしこれは領主ギトやその残党狩はルアスから命ぜられたミッションだ。

 ギト家の軍隊は壊滅したが、頭を仕留めなければ本当に勝ったことにはならない。


『頭が生き残っていれば、いずれ再結集してまた歯向かってくる』

 とはアイーダの言葉だ。



 自分の屋敷から逃げ出した雲隠れした領主を探すためには村人の協力が必要なのだ。


「ヒィィイイイイイイイイッ!」


 しかし、痛そうだ。


「うわー、めっちゃ熱そう。それ、治るんだよね? 回復魔法とかでさ」俺は近くの部下に聞いた。


「いえ、重度の外傷を負うとそのまま残ります」


「マジっすか」


 あれが俺じゃなくて良かったなー。

 セリカだったらその前に怒りを感じたんだろうか。



「ぎゃーーーーーーーー!」


 はー、拷問とかめんどくせーなー。

 見てるだけでうんざりしてくる。

 おっぱい揉みてーなー。



「きゃーーー!」

 む、女の声!!



「何事だ」俺は威厳たっぷりに聞いた。


「はっ! こ、この村長を尋問しようとおもいま、まして!」


 部下の歩兵数名が、女性の両脇を抱えて押し倒そうとしていた。


「お前達に話す事は何もない、即刻わが村から立ち去れい!」


 あら気の強そうな美人さん。

 村長は年はそこそこだが綺麗なお姉さんだった。

 ただちょっとそばかすが酷かった、俺の趣味(このみ)からは外れる。

 

「この、黙って言う事聞きやがれ!」兵士が女性を殴った。


「きゃっ!」



「尋問っつーかさ、レ〇プしようとしてない?」


「はっ、いえっ、あ、あの……部下達も領主捜索で疲れています、たまには息抜きもさせませんと……」と、副官はしどろもどろ。



「おいっ! 何て酷いことしやがるんだ!」


「ひっ、も、申し訳ありませ――」


「生でやったら赤ちゃん出来るかもしれないだろ、ちゃんと避妊具を使え!」


 俺は元の世界から持ってきた0.01mmコ〇ドーム箱を副官に投げ渡した。



「「「さっすがー、宇田様は話が分かる~~~~~♪♪♪」」」


 部下達はとてもとっても、すごく喜んだ。









以下現時点での設定


---ロボット


・機械ゴーレム "ガンバイン"

 ルアスが保有する二足歩行人型機械ゴーレム。

 絶大な能力を有するが、実力を発揮するためには巨大な魔力が必要となる。

 乗り手次第では大幅に弱体化するため、非常に扱い難い。

 あまりに乗り手が限られるので、ルアスが地球から人々を召喚する原因にもなった。


・機械ゴーレム "ゲバラ"

 ルアスがとある組織より技術供与を受けて開発した二足歩行ゴーレム。

 人間が乗り込み操作する必要があるが、歩兵や騎兵、魔法使いとは比べ物にならない戦力を誇る。

 ルアスはこの機体をギト家や他の領主、国王に多数売却し多額の利益を得た。

 その財産はルアスの野望を後押しする。


・機械ゴーレム "ドーガ"

 ルアスが開発した新型の機械ゴーレム。

 ガンバインの乗り手を選ぶピーキー過ぎる欠点を反省し、性能を抑えて乗り手の幅を増やした。

 しかし単純なパワーならガンバインより上。

 ルアス領国の次期主力機械ゴーレム候補。



---人々


・鈴木宇田(すずきうた)

 高校生、邪悪な若者

 おっぱいが好き


・セリカ

 アメリカ人と日本人のハーフ

 おっぱいが大きい

 正義の心を持つ


・アイーダ

 ルアス領国における女騎士

 おっぱいが物凄く大きい


・リアム

 宇田をハニートラップにかけてヴェルンガルドに飛ばした少女

 宇田を魔王と呼び、その目的はまだ謎に包まれている

 おっぱいの大きさは並

 宇田により貫通済み


・ルアス

 ヴェルンガルドの1領主

 ヴェルンガルドの制覇を目論見、機械ゴーレムを開発する

 男なのでおっぱいは無い、乳首はある

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