娘の予感と言うのは
1度自宅に戻り
もし風呂場で腕を斬っていたら、もし車で練炭自殺でもしていた、もし、もし…と悪い方向に考え出すと止まらず警察に話す声がふるえる。
そんな時、
「 椿!家の中案内できるか!? 」
「 で、できる! まず真っ直ぐ行ったら居間で─── 」
兄が親父と叫びながら家の中を捜しているのが電話でも伝わる。
父の友人も一緒に捜しにきていて2人で捜すが
「 どこ行ったんや、親父…! 」
2人が一人暮らしにしては広い一軒家を捜す中椿には思い当たる場所が1つだけあった。
父にとって大切な場所で私達家族を守る為の場所。
そこにならいてもおかしくない。
「 …お兄ちゃん、居間の奥の襖開けて 」
椿の発言に沈も息を飲んだ。
もう彼女には分かっていたんだ、父が何処にいるかなんて。
「 っ、親父ぃ!! 」
「
電話越しに2人の叫び声を聞いた母はまだ電話が繋がっている警察に救急車を頼んだ。
住所は伝えてありすぐに救急車は自宅に着いた。
切れてしまったスマホを眺めて椿は口を開く。
「 あの場所は、パパがママと私を守ろうと鍛える為の部屋だから、きっと最後はそこにいるんだろうなって…また当たっちゃった 」
母が泣きそうになる中、椿はポツリと呟いた。
コロン、と1つネジが外れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます