秦先生。

ひなた「次の授業何だっけ」

夜「んーと,国語だったかな」

朝美「うわー,面倒臭い」


ほんわかしていて小動物みたいなひなたと

ムードメーカーで楽天家な朝美と。

私達3人はいつも一緒にいる。


朝美「秦先生,見た目はいいんだけどねー」

ひなた「なんていうかちょっと怖いよね」


チャイムが鳴る1分前。

教室はいつも通り騒がしい。

みんな国語の授業は毛嫌いするけれど

the文系の私にとっては唯一の楽しい授業。


秦先生「授業始めます,号令」

夜「起立…礼!」


秦先生は背が高くて少し筋肉質で

顔も流行りの朝ドラ俳優を薄めた感じで

見てくれは,とてもモテそうなのに


秦「…はい,じゃあ20ページ目の」


何せ愛想が無い。

チャイムが鳴ると共に授業を初め

チャイムが鳴ると共に足早に帰る。

生徒と世間話は一切せず笑いもしない。

いや,これが逆にクールなイケメンという

枠でモテるのだろうか。

興味が無いから分からない。


だけど国語の教え方は誰よりも上手だ。

教科書だけでは無く

登場人物の裏設定だったり

昔の時代背景だったり

人にものを教えるのが

きっと好きなんだろうと感じる。

他の生徒がどんなに嫌おうとも

私は秦先生の生真面目な授業が好きだ。


秦先生「はい,それじゃあ授業終わります」


だから私は,油断をしていた。








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