第14話 vsコンビニ強盗




現代において

コンビニ強盗=スライム らしい(ユズハ師匠談)





「さて、真田流の武術は一通り教え終わったわけだけど」

「え、そうなんですか?(この人先読み先読みとかしか言っていない気がする)」




「ところで、最近、ご近所でコンビニ強盗が出没するそうね」

「まさか、倒して来いって言う気じゃないでしょうね」

「ナイス、先読み」

「・・・」






$$$







ユズハ師匠によると・・・

噂のコンビニ強盗は、今晩このコンビニに出没する率が高いらしい。

どういう予測だよ。




「お願いしますねぇ」


(・・・すごいやる気ない店員)






深夜12時、1時間後・・・






「金をだせ!!!」




(ほんとに来た)






「うらあああああ」



向かって来た。



こいつのナイフを避けて、腕を掴んで・・・

ってかわされた・・・



「ちっ」



ユズハは近くの物陰から孝一の様子をうかがっていた。

(まずいわね・・・あのヘルメット、予想より武術慣れしている)



(投げるのを予想されてるのか。まずいなぁそれしかできないのに)





「えい」




店員が投げたカラーボールがヘルメットに当たった。

犯人はその行為に激情した。


まっすぐ店員へと向かう。



(やばい、あの店員刺される。・・・)

孝一は犯人を止めようと近づいた。

犯人はくるりと向き直って、孝一を捕捉する。



「馬鹿・・・」


(動きを読まれた・・・刺され・・・)




・・・・ゴッ




次の瞬間、孝一の動きが変わった。

(・・・・あれは壁の前でやっていた動作・・・・)

打撃を受けたヘルメットの男はその場に沈み込んだ。






$$$






孝一は連続コンビニ強盗を検挙したことで町の警察署から表彰されたのだった。

学校でも朝礼時、運動部の後に表彰された。

「あれ、まさか・・」

「近所で有名な不良の・・」





これで少しは母親の孝一への不信感が改善されただろうか・・・

孝一はなんとも釈然としなかった。




次の日、道場ではユズハ師匠が和菓子とお茶を用意してくれた。

「まあ、まあ、本当にコンビニ強盗を撃退するなんて・・・夢にも思わなかったわ」

「・・・」

「あら、どうしたの?もっと嬉しそうにするかと思ったのに」

「全部、師匠の予想通りって訳ですか・・・」




「そうね・・・100点中の20点ね」

「うぐ」

「犯人に武術の心得があったとはいえ、真田流が先読みされてやられかけるのはねぇ」

「・・・」



「なんというかダサい、『ないわーマジないわー』という感じよ」



(なんでそこだけ、チャラ男風なんだよ)





ユズハはお茶を飲みながら考える。





・・・孝一君には荷が重い仕事だった。

・・・それにしても、あのときの動き・・・なんだあれ?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る