第13話 壁の前で見る最高の未来




孝一は今日も壁を殴り続ける。





真田流、ユズハ師匠の武術も同時に習っている。

「はたく」についてユズハ師匠に心当たりを聞いてみたが


「は、そんな話聞いたことないわよ」


とあっさり否定された。



いきなり正解がわかるわけではないだろう。

気長にいこう。




「最低の未来と最高の未来の想定か・・・」




今、壁の前に居るこの瞬間の・・・

最高の未来は・・・なんだ?




・・・




決まってる・・・


この壁を・・・

一瞬で粉々に・・・



拳を振りぬく




ズン





振動はしたが、壁は壊れない。


(・・・駄目か・・・でも今のはいい感じだった・・・)



足音がする・・・

ユズハ師匠がこっちへ歩いてくる。



「おい、道場の壁で、それやめろって、前に言ったわよねぇ?」



「痛い痛い、ごめんなさい、うっかりしてました」



孝一はユズハにヘッドロックで締め上げられた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る