すべての大陸を失った未来の地球では、人々は巨大な都市型空母で暮らしている。そこの士官学校で出会った、未冬・エマ・マリーン・フュアリの4人の少女たち。勉強に訓練にと毎日が忙しい彼女たちだが、そこは今も昔も変わらぬ可愛い少女の特権で、好奇心旺盛(!)に学校生活を楽しんでいる様子。
百合の燃え要素・ハードな戦闘訓練・新旧が混沌と溶け合った未来文明描写と、読者サービスは満点!
作者の杉浦さんはこの小説を、日記代わりに書いたとか。そうであれば、読者も、数話ずつゆっくりと読んでみるのもいいかもしれない。そのうちに、4人の少女たちの存在が、手を伸ばせば触れるかと思われるほど近くに、感じられてくるに違いない。
そして最終話に至り、4人の少女たちは成長して、それぞれの希望を胸に未来へと羽ばたく。そのことに安堵と喜びを感じるとともに、「彼女たちとの別れの時が来たのだ」と、読者は一抹の寂しさも覚えることだろう。