第二章 新しいユニフォーム 七 ハーフタイム

 第二クォーターは、目が実質エースと言える本領を発揮、一人で18点を稼ぎ、それに加えて山添も6得点、計24点を稼いだ。それに対して、加賀美、早田の得点は低く、滝瀬がその分をカバーするような展開となった。


 得点経過、第二クォーター終了時点、白35点、青40点。


 コートでは、ハーフタイムを利用して、チアリーダーがパフォーマンスを披露している。当然のことながら、観衆の男子生徒にはこちらの方が受けがいい。


 両チームのメンバーは共に自販機に向かった。洋だけは事前に買っておいたスポーツドリンクを取りに用具室に戻った。


 さっきまではまだまだ日差しが眩(まぶ)しかったのに、いつの間にかそれが陰り始めている。


 女子の誰かが気がついたのだろう、体育館に照明が入った。


 走り回っていたメンバーは体も熱くなって喉も渇くだろうが、じっと座ってスコアをつけている鷹取達はジャージを着ていても肌寒い。立花は両手を太ももの下に入れて、貧乏揺すりをしている。


「立花、寒いなら、ちょっと走って来てもいいぞ」


「あっ、はい」


 と言うと、立花は立ち上がった。


「お前達も寒かったら、走って来い」


「俺は大丈夫です」


 鷹取がそう言うと、


「僕もいいです」


 と、清水も言った。


「そんなにチアを見ていたいか」


 藤本が冗談交じりに問い掛けると、図星なのか、鷹取は、


「あっ、まあ……」


 と、言葉を濁しつつも、


「でも、凄いですよね。人間ピラミッドの上からクルクル回りながら降りるなんて……俺は怖くて無理ですよ」


「そうだな。受け止める者との信頼関係がしっかりしていないと出来ないことだ。だが、それはバスケットでも同じだ。お前達も信頼されるプレーヤーになれ。それがチームを強くする早道だ」


「それにしても、目は凄いですね。NBAのプレーヤーみたいで……」


「清水はNBAが好きなのか」


「はい、バスケットに興味を持ったのはそれが切っ掛けです。でも、僕は運動神経がないので……」

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