第二章 新しいユニフォーム 六 エースの風格
第一クォーターが終了した。
得点は白が21点、青が18点。
出だしこそ良かったものの、試合が進むに連れて日頃の練習量と試合の場数の差が少しずつ現れてきた。
特に山並の得点源である早田のスリーポイントを活(い)かすために、白チームではスクリーンが頻繁(ひんぱん)に行われた。これが効率よく決まって、フリーになった早田は3連続スリーポイントを決めた。
これに対して、笛吹のスリーポイントは0点。青チームのスリーポイントは目の3点のみであった。
コート上では、チアリーダー部の演技が華やかに行われている。
男子バスケとチアの合同練習とあって、知らぬ間にチアリーダー部と女子バスケ部以外にも観衆が集まっていた。中には、先生の顔も見える。全国大会優勝候補の合同練習はやはり注目の的(まと)のようだ。
そんな華やかな雰囲気の中、試合を行っている両チームの表情は実に対照的であった。
「最初はこのままいけると思ったんだが、加賀美さんと早田さん相手だとやっぱりきついな」
と、笛吹が言った。
しかし……
「何言ってんだ。あのメンバー相手に互角の勝負をしてるんだぜ。俺が6点も取ったなんて、今でも信じられないよ」
と、菅谷は興奮気味に言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます