第2話 寒い時こそ温もりを

 「速い!速いって!もっと、スピード下げて!」僕は、そう叫んだ。「イヤッホー―――!」そんな、僕などつゆ知らずデュークは楽しそうな声を上げていた。僕たちは今、はるか上空にいる。「空を飛ぶのって、意外と楽しいわね!」ウルさんも楽しそうに言った。


 「ごわいじ、きぼじわぶい!すぶーどざけで!怖いし、気持ち悪い!スピード下げて!」ゴブは、そう叫んだ。「こっちは、言葉になってないし・・・!」僕は、そうツッコんだ。「何?もっと速くとな?良かろう!しっかり、捕まっておれよ!」ログルドは、更にスピードを上げた。「違う!うわああああ!」僕とゴブは、同時に叫んだ。


 数分後・・・。「よし。着いたぞ。」デュークは、そう言った。「凄く楽しかったわ!」ウルさんは、笑顔でそう言った。「そうであろう?」ログルドは、自慢げにそう言った。「ええ!また乗せてね。」ウルさんは、上機嫌でそう返した。


 「僕は、出来れば遠慮したいです・・・。」僕は、そう言った。「う・・・。もうダメ・・・!」ゴブは、口を押えたまま急いでログルドから降りた。そして、降りた場所で吐いた。「・・・大丈夫?」僕は、そう言ってゴブの背中をさすった。「ログルド。ありがとう。」デュークがそう言うと、ログルドは何処かへ去っていった。


 「大丈夫・・・。大丈夫・・・。」ゴブは、口をぬぐってそう言った。「・・・落ち着いたか?」デュークは、心配そうに聞いてきた。「ああ・・・。何とかな・・・。」ゴブは、そう言ったが顔色は悪かった。「ギルドは、もう少しだ。行くぞ。」デュークは、そう言った。僕たちは、ギルドへ向かった。





 「少し、待っててくれ。ギルド長に話をつけてくる。」デュークは、そう言ってギルド内に入っていった。「入団できるかなあ・・・。」僕は、心配してそう言った。「大丈夫だといいけど・・・。」ウルさんも同じように言った。「どうだろうな・・・。」ゴブは、そう言った。


 すると・・・。「おい!」低い声と共に背後から、雪の地面に重い物が落ちる音がした。「何でてめえみたいなチビがいるんだ?」デ、デカい・・・!僕と同じ歳ぐらいの大男は、僕の顔を覗き込んでそう言った。「お家は、何処どこかな?ああ?」大男は、睨み付けてそう言った。こ、こえええ・・・。


 「それにモンスターもいるな・・・。ということは、モンスターテイマーか?」大男は、疑いの目でそう聞いてきた。「そ、そうなんですよ!まだ、正式に認められてないんでここに来たんですよ!」僕は、冷や汗をかきながら引きつった笑顔でそう答えた。・・・ていうか、俺ってこんなに喋れたっけ?


 「そうか・・・。」大男は、納得したように言った。「分かってくれましたか?」僕は、そう聞いた。「ああ。よく分かったよ。」良かったああ・・・。僕は、安心したように息を漏らした。「よーく・・・分かったよ。」大男は、僕を殴りかかってきた。「え?」僕は、訳も分からず吹っ飛んだ。





 「キャアアア!?」僕は、吹っ飛んだ勢いでギルド内に入った。な、何が起きたんだ?速すぎて、全く見えなかった・・・。腕につけていた円盾を見ると、拳の形にへこんでいた。「おお。よく耐えたな。」大男は、相変わらず無表情で言った。なんて威力だよ・・・。


 「何だ!?何だ!?ガキが吹っ飛んできたぞ!」音を聞きつけて野次馬が集まって来た。「吹っ飛んできた方向からレイモンドが来たぞ!」・・・騒がしくなってきたな。「てことは、あのガキは新人か?あいつのパンチを初見でガードしたのか!?」僕は、円盾を投げ捨てた。ギルド内は、バーのようになっておりカウンターの所が受付になっていた。その受付の両斜め後ろに階段があった。


 「ジーク!?」「ジーク君!?」ウルさんとゴブは、同時にそう言って慌てて僕に近づいてきた。「大丈夫!?」ウルさんは、険しい表情で聞いてきた。「何とか、大丈夫です。ちょっと驚いたけど・・・。」僕は、立ち上がってしびれが残る右手を見ながらそう言った。


 「いきなり何するんですか!?」僕は、レイモンドという大男を睨み付けてそう言った。「あのレイモンドに抵抗しているぞ!」ギルド内に歓声が上がった。「マジかよ!あんな新人、初めて見たぞ!」うるさいな・・・。僕は、ため息をついた。


 「・・・俺はな、てめえみたいな新人が気に食わねえんだよ。」レイモンドは、訳の分からないことを言い放った。「はあ!?何を言っているんですか!?ふざけているんですか!?」僕は、声を荒げてそう言った。・・・絶対、話にならないな。


 「ウルさん、下がっててください。ゴブも下がっててくれ。」僕は、そう言って腰に下げた剣を抜いた。「・・・んのか?」レイモンドは、拳を握りしめて構えた。「おお!本格的に喧嘩が始まるのか?」その場の空気がヒートアップし始めた。


 「“我が剣を鍛え、我が体に風の加護を与え給えソードハイプロテクション・ボディウィンド”」僕は、そう呪文を唱えた。「へえ?俺と同じ強化魔法が使えるのか?しかも、二重詠唱か・・・。」レイモンドは、感心したように言った。「だがな・・・、“我が体に火と守護の加護を与え給えボディファイヤ・ハイプロテクション”」レイモンドも同じように唱えた。


 「へえー・・・。見た目に反して意外に器用なんですね。」僕は、皮肉たっぷりにそう言った。「・・・生意気な奴だ。」レイモンドは、むっとした表情で言った。「いきなり、殴りかかってくる人に言われたくないですよ。」僕もむっとした表情で返した。「そろそろ、始まるぞ!」「やっちまえ!」その場は、更にヒートアップし始めた。


 「怪我しても知りませんからね。」僕も構えた。「お前もな!」レイモンドは、そう言って飛びかかってきた。・・・意外に速いな。だけど・・・。「な!?」・・・師匠ほどではないな。レイモンドは、驚いたように言って冷や汗をかいた。僕は、飛びかかってきたレイモンドの攻撃をかわし、剣を喉元ギリギリで止めた。





 「止めんかああああ!」ギルド内に凄まじい怒号が響いた。「ギ、ギルド長!?」レイモンドは、驚いたように言った。「この大馬鹿者共があああ!」僕とレイモンドは、凄い勢いで吹っ飛んで言った。「何で僕も!?」僕は、そう叫んだ。


 「すまんな。せがれが迷惑をかけた。」ギルド長は、ため息をついてそう言った。「そ、それよりも、息子さんは大丈夫なんですか?」僕は、頭をさすりながらそう聞いた。レイモンドは、どうやら気を失っているようだ。「いつものことだ。気にしなくていいぞ。」ギルド長は、そう言った。・・・そ、そういう問題なのか?


 「デュークから聞いたよ。流石は、ミランダ・カーミラの弟子だな。」ギルド長は、そう言った。「ええ!?」野次馬は、一斉に驚いた声を上げた。「そ。要するにこいつは、俺の弟弟子って訳だ。」デュークは、僕の肩に手を置いてそう言った。その場は、ざわついた。


 「俺の名前は、イカロフ・ロートホグ。ここ気高き竜声ドラゴンロアのギルド長だ。」ギルド長は、そう言った。「あ。ジーク・ガリウスです。」僕は、そう返した。「君をモンスターテイマー及び、魔法剣士として歓迎しよう。」・・・え?こんなあっさりでいいの?


 「え?そう言えば、師匠とはどういう関係なんですか?」僕は、そう聞いた。「若い頃によく喧嘩をしててな。要するに喧嘩友達だな。」ギルド長は、懐かしそうに言った。「す、凄いですね・・・。」僕は、言葉が詰まってしまった。「その弟子と俺の倅が同じ魔法を使って喧嘩とはな・・・。最初にあいつと戦った時と全く同じ状況だったぞ。」ギルド長は、少し微笑んでそう言った。正直、言って信じられない。





 「よし!みんなで乾杯しようぜ!」デュークは、そう言った。これで、いいのかなあ?「お前たち、ジーク君に色々、教えてやってくれ。私は、仕事に戻る。」ギルド長は、そう言って去っていった。「お前、すげえな!あんなビビったレイモンドは初めて見たよ!俺の名前は、ルーク・フィード。よろしくな!」野次馬は、一斉に僕に近づいてきた。


 「二重詠唱も使えるなんてねえ!私の名前は、ララ・ブロイト。今度、鍛えてあげるよ。」魔法使いと思われるお姉さんが抱きついてきた。「は、はい!よろしくお願いします!」・・・て、ていうか、お、大きい!?「もう、本当に可愛いねえ♪」ララさんは、僕の頭を撫でながらそう言った。・・・まあ、いっか!


 「は!?」僕は、恐る恐る殺気の出てる方を向いた。「・・・。」そこには、獲物を狩る獣のような目で僕を見ていた。・・・絶対、ドラゴンハンターや!「・・・ララさん、ちょっと離れてもらっていいですか?」僕は、身の危険を感じて離れた。「ええ・・・?」ララさんは、寂しそうに言った。ふう・・・、危ない、危ない・・・。


 「初日に振られたなララ!」ルークさんは、ガハハと豪快に笑った。「うるさいね!て、あんたいつ飲んだんだい!?」ララさんは、呆れたように冷や汗をかいてそう言った。「いいじゃねえか!今日は、祝い事だぜ?」ルークさんは、千鳥足でそう言った。「昨日も言ってたよ・・・?」ララさんは、ため息をついてそう言った。・・・臭い。


 数時間後・・・。「ジーク、そろそろ部屋に戻るぞ。子供は、寝る時間だ。」デュークは、少し赤い顔でそう言った。「うん。分かった。」僕は、立ち上がった。ルークさんとララさんは、気持ち良さそうに眠っていた。自分の部屋に向かった。


 「お前の部屋はここだ。相部屋だから、仲良くやってくれ。それじゃあ、おやすみ。」デュークは、小さい声でそう言った。「うん。おやすみ。」僕も小さい声でそう言った。デュークは、ドアをゆっくりと閉めた。僕は、そのままベッドに倒れこんだ。





 翌朝・・・。「ふああ・・・。もう朝か・・・。」僕とレイモンドは、同時にそう言った。それよりも・・・・。「何で君がいるんだよ!?」「何でお前がいるんだよ!?」僕たちは、お互いに指差して同時にそう言った。・・・朝から最悪だ。


 「チッ・・・!」レイモンドは、殴りかかってきた。「ちょ、待って・・・うおわあああ!」僕は、壁を破って吹っ飛んだ。「キャアアア!?」2人の少女のような悲鳴が上がった。「イタタ・・・。何するんだよ!」僕は、睨んでそう言った。「ちょっと!」僕は、声のする方を向いた。


 ・・・どうやら、着替えの真っ最中だったようだ。「あ。これは、違・・・ウベ!」僕は、姉妹に両サイドから思い切り叩かれた。・・・痛い。「・・・また、あなたたちですか?」受付嬢は、呆れたように言った。僕とレイモンドは、あの姉妹に連れてこられた。叩かれた箇所は、まだ痛む。


 「・・・どっちが先に喧嘩を売ったんですか?」この受付嬢の名前は、サヤというらしい。「この人が!」「こいつが!」僕たちは、同時にそう言った。「君が突然、殴りかかってきたんだろ!?」僕は、そう言った。「てめえが部屋にいたからだろ!?」はあ!?「何を言ってるんだよ!」僕は、声を荒げてそう言った。


 「ああ、もう!2人共!」サヤさんは、とてつもない気迫でそう言った。「はい!」僕たちは、姿勢を正して同時にそう言った。「罰として、壁を修理してください!」サヤさんは、怒ってしまった。「ええ!?」僕たちは、大きな声でそう言った。「ええ、じゃない!修理が終わるまで仕事はさせませんからね!」何で入団初日にこんな目に・・・。





 「・・・何よ?変態。」あの姉妹の姉と思われる少女がむっとした表情で顔を出した。「うっ・・・。か、壁の修理に来たんだけど、部屋に入ってもいい?」少女は、無言で部屋に歓迎してくれた。・・・おのれ、レイモンドめ!今日は、許さねえぞ!


 「・・・失礼します。」僕は、そう言って部屋に入った。「あ、変態さんだ。」妹と思われる少女はそう言った。頼むから、その呼び方止めてくれ・・・。「・・・どうも。」僕は、そう言って少し頭を下げた。「さ、ミリア。そこの変態2人は、置いて仕事に向かいましょうか。」少女は、去っていった。「え?あ、うん・・・。分かったよ、ルカ。」ミリアは、そう言ってルカについていった。


 「はあ・・・。何で俺がこんな目に・・・。」ドアが閉まったのと同時にレイモンドは、ブツブツとそう言った。少し、腹が立ったが僕は黙って作業を始めた。「・・・あの2人は?」あの姉妹は、どうやら双子らしく髪型以外はそっくりだった。「・・・有名な魔導士一族の娘らしい。特に姉のルカ・シルフィーネは、“疾風の申し子”と言われるほどの天才だそうだ。」レイモンドは、以外にしっかりとした回答をしてくれた。


 「へえ・・・。ミリアの方は、どうなの?」僕は、続けてそう聞いた。「・・・破門されたそうだ。」レイモンドは、重い口調でそう言った。・・・どうやら、地雷を踏んだようだ。「そ、そうだったんだ・・・。」空気を良くしようとしたはずがより悪くなってしまった・・・。しばらく、静寂がその場を支配した。





 「・・・なあ。ジークつったか?」静寂を割いたのは、意外にもレイモンドだった。「ふぇ?う、うん。そうだけど・・・何?」僕は、レイモンドの想定外の言動に変な声が出てしまった。「プッ・・・!今の声は何だよ?」レイモンドは、僕に初めて笑顔を見せた。「つい・・・。」僕も彼の笑顔に嬉しくなり同じ表情で言った。


 「・・・話は戻るが、てめえは何処から来たんだ?」やっぱり、そう来たか・・・。「サイリードから来たんだよ。そこから、師匠にガリフに飛ばされて、気づけば此処ここにいたんだよ。」僕は、流れ作業のように説明した。「さ、さらっと言ってるけど、かなり波乱万丈だぞ・・・。」レイモンドは、冷や汗をかいて言った。


 「そうかな?」・・・余り気にしていなかったが、言われてみればかなり酷い目に合っているな。「・・・そう思うんだが?」ていうか、何で僕がこんな目に合っているんだ?「ジーク?」僕は、大きなため息をついた。「ごめん。考え事してた。」僕は、そう言った。「そ、そうか・・・。ならいいんだが・・・。」レイモンドは、に落ちない様子で言った。


 「レイモンドは、どのくらい此処にいるの?」僕は、そう聞いた。「生まれた時から、ずっと此処にいる。年数で言うなら18年だな。」なるほど。てことは、僕と同じ歳だな。「へえ・・・。そんなに長くいるんだ。凄いね。」僕は、感心するように言った。「てめえ、歳はいくつだ?」レイモンドは、そう聞いてきた。「君と同じ18だよ。」僕は、そう返した。「・・・そうか。」レイモンドは、そう言った。


 「・・・てめえ、苦労してんだな。」レイモンドは、これまた初めて優しい声でそう言った。「まあね。」僕は、涼しい口調で言った。「・・・突然、殴りかかったりして悪かったな。」レイモンドは、照れくさそうに言った。「ア、ハイ。オ気ニナサラズ。」僕は、動揺してそう言った。「感情なさすぎだろ・・・。」レイモンドは、そうツッコミを入れた。


 「・・・それじゃあ、仲直りだね。」僕は、笑顔で手を差し伸べた。「あ、ああ。・・・よろしくな。」レイモンドは、少しだけ顔を赤くして手を伸ばした。「・・・こちらこそ宜しく。」こうして、言うのは恥ずかしいが新たな友達ができた。「さて・・・、さっさと修理を終わらせよう。」僕たちは、急いで修理を済ませた。





 「ほ、本当に大丈夫か?」という、話をするとゴブは心配そうに言った。「うん。仲直りしたから、大丈夫でしょ。」僕は、何食わぬ顔でそう言った。「多分って・・・。」ゴブは、疑惑の眼差まなざしをこちらに向けた。僕とゴブ、ウルさんは、ギルド内の空いていた席に腰掛けていた。「ジーク君が大丈夫って言ってるからいいと思うわよ?」・・・我ながら、のんきなことを言ったものだ。


 「言っとくけど、こいつは壁に穴をあける勢いで吹っ飛んでいるんだぞ?しかも、2回も!大丈夫な訳ないだろ・・・。」ゴブは、ため息交じりにそう言った。「・・・まあ、全部を許した訳じゃないけど、彼も反省しているみたいだから気にしてないよ。」僕は、そう答えた。「ならいい・・・のか?」ゴブは、怪訝けげんそうに言った。


 「・・・で?クエストは、どうするんだ?」どうやら、ギルドでは依頼のことを“クエスト”と言うそうだ。「取りえず、シークイン大陸内の調査を兼ねて、シークインに関係する下級のクエストをこなしていこう思う。」クエストは、下級、中級、上級、災害級、天災級の5つに分類される。ちなみに、デュークのドラゴン退治は数や個体に関係なく災害級に分類されるそうだ。


 「下級以上のクエストは、受けれないの?」ウルさんは、そう聞いてきた。「その為には各階級のクエストを200回クリアするか、たまたま出会った中級以上のモンスターを倒す必要があるそうです。まあ、そんな都合よくモンスターが現れることはないそうですよ。」ちなみに、ドラゴンハンターは例外らしい。「そうなの?大変ね・・・。」ウルさんは、他人事のように言った。


 「はあ・・・。」ウルさんの能天気な一言に僕とゴブは、大きなため息をついた。「先が思いやられるな・・・。」ゴブは、不安そうに言った。「え?何か私、変なこと言った?」ウルさんは、やはりよく分かっていない様子で言った。「いえ・・・。気にしないで下さい。」僕は、そう言った。「ん?そ、そう?」ウルさんは、疑問の残る表情で言った。


 「記念すべき第一回目のクエストは何にするんだ?」ゴブは、そう聞いてきた。「そうだねえ・・・。この大陸で1番弱い“生ける氷塊アイスボール”討伐に行こうかな。」アイスボールとは、名前の通り丸い氷塊に目玉が付いたモンスターだ。サイリードで言うところのゴブリン的存在だ。「よし!それじゃあ、暖かい服でも買ってクエストに向かいますか。」僕は、そう言って立ち上がった。こうして、楽しいギルドライフが始まった。

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ジーク・ガリウスの成長譚 男二九 利九男 @onikurikuo

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