第4話 こうして恋は始まる


彼女がとうとうあいつに告白した

いつか来るだろうと思っていたが

いざその事実を聞くと非常に胸が痛かった


案の定彼女はフラれた

付き合っている人がいるから無理だと言われたらしい

その話を彼女から直接聞いた

何故かって?

彼女に帰りに呼ばれて行ってみたら

話し相手になってほしかったと言われた

どうして僕なのかと聞いてみたら事情をあらかじめ知っていたからだそうだ

僕は彼女の話を何も言わずに聞いていた

そしてひたすら相づちを打っていた

それからある程度気持ちが落ち着いたのか

ありがとうと言って解散することになった


家に帰ってまた自分の部屋のベッドで横になって彼女のことを考えていると自分にはまだチャンスがある

フラれた今なら付き合えるんじゃないかってそんなことばかり頭の中に浮かんできた。

そんな自分がズルく感じてまた自分が嫌いになった


それから彼女とは部活が休みには一緒に帰ったり前と変わらずに過ごしていた


そんなある日

一緒に帰っている時に彼女から好きな人いないの?と聞かれたので僕は教えないと答えた

すると彼女は


もしかして私?


と冗談っぽく言ったのだが僕は想像以上に動揺してしまったようで彼女は冗談だよと言いながら笑っていた。

そして彼女は別に悪くはないかもねと言った。今でも覚えているあの時の彼女の表情はなんとも言えないもので悲しそうにも微笑んでいるようにも感じるそんな笑い方だった

僕はそんな彼女をみて思わず







付き合ってください




と言ってしまった。

もう戻れない

その言葉に彼女は

しばらく考えて







君ならいいよ



と言った。

こうして彼女と僕は恋人になった



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