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朝起きるとさっそく布を噛んで、それからお弁当を持ってお手伝いにいきました。
グレイおじさんはぼくを見ると、「昨日はとてもよく働いたみたいだな」と言いました。
ぼくは怒られたらどうしようって思ったけど(だって、グレイおじさんはぼくが働き過ぎるのをよくないと思っていたんだから、きっと知らない場所で働き過ぎたら怒ると思ったからです)、「あんまり無茶はするなよ」と言ってクッキーをくれました。奥さんのバーニーおばさんが焼いたものなんだって。
お昼に、お弁当といっしょにもらったクッキーを食べました。あんまり甘くなかったけど、でも美味しかったです。それから、こっそり持ってきていた布を噛みました。
バレたら大変なことになるのは分かっていたけど、でもなんだか、朝から足りなくて仕方なかったんです。
今日は木材をいっぱい運びました。
壊れた柵は、魔物が出たその日の内に修理したけど、それは応急処置みたいなものだから、今度こそ魔物が入ってこないようにちゃんとしたものにしないといけないんだって。設計図を見て、みんなでいろいろ話し合ったり、工具を動かしたり、大変そうにしていました。
少し、申し訳ない気持ちです。ぼくはお手伝いしてもあまり疲れないし、お手伝いの間は力を誤魔化さなくてもいいので、楽しくはないけれど、やっていて落ち着きます。
家に帰って布を噛んで、寝る前にも布を噛みました。
味がしなくなった布は、明日手伝いに行く時にまとめて埋めよう。
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