10ページ目

 今日は晴れていたので、いつもの集合場所(ロジャーの家の前です。ちょうどみんなが集まりやすい場所にあるんだ)に行ってみました。アリアも一緒です。

 ジャンとかフリックとか何人か来てない子も居たけど、でも何人かは居ました。


 みんな、ぼくを見るとどきってしたのが分かりました。ぼくは、それで帰りたくなってしまったけど、アリアが「おはよう!」ってみんなに手を振って、それからぼくの手を掴んでみんなのところまで走ったので、そのまま行きました。

 みんなはアリアに引き摺られる(本当に引き摺られてはいないけど)ぼくを見て、安心した風でした。前のぼくといっしょだ、って思ったんだと思います。


 それから、いつもみたいに何をするか決めました。

 ぼくはかくれんぼ以外がいいなと思っていました。だって、今のぼくだと誰がどこに隠れてるか、すぐに分かっちゃうに決まってるもの。だから、鬼ごっこに決まって、よかったなって、その時は思いました。

 でも、違いました。鬼が数を数えて、よしって思って、走ったら、いつもと違ったんです。ぼくはいつもと変わらないのに、でもいつもなら鬼の数えが終わる頃に着くレンガの塀まで、一息で着いてしまったんです。耳と目で周りを見たら、周りに人は居ませんでした。


 ぼくは、怖くなりました。


 走って、止まって、走って、止まって、どうにかいつもくらいの速さで走ろうとして、でもいつもどれくらいで走っていたか分からなくて。

 そうしたら、タッチされてしまいました。

 「どうしたの」って聞かれたので「お腹が痛いから帰る」って言いました。


 練習しないといけません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る