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 今日も雨です。

 雨で清掃作業や解体作業に支障が出てるって、部屋の外から聞こえてきました。魔物の死体や、魔物に壊された建物がそのままになってしまうから困るって。


 ママは今日も外に出かけていって、アリアとぼくは家でお留守番でした。

 この前のお話し作りの続きをしました。塔とドラゴンとお姫様と騎士の話です。騎士は魔物をいっぱい退治してきた、とっても強くて勇敢で、みんなから頼りにされてる人にしました。アーノルドを参考にしました。


 「騎士って、人間じゃないとダメなのかな」とぼくが言いました。すると、アリアは「ルーフは人間だよ」と言いました。

 ぼくは、騎士のことを聞いただけで、ぼくのことは聞いてないっていうと、「ごめん」だって。謝って欲しい訳じゃなかった。それに、ぼくは人間です。ちょっと、狼になれるようになっただけです。

 アリアが言いました。「騎士っていうのは、魔物とかを倒した人じゃなくて、たくさんの人を助けた人のことだよ。だから、わたしはルーフのこと、騎士だと思うな」だって。

 そうだといいな。だって、ぼくはずっと騎士になりたかったんだ。かっこいい、騎士になりたかったんだ。


 アリアが絵本を取りに行ったので、窓に耳をつけて、ちょっとだけ外の声を聴いてみました。お隣のカローラさんの家から声でした。壁を二枚挟んだくらいなら、普通に聞こえるみたい。

 カローラさんの夫のジョージさんは、牧場の辺りで魔物の相手をしていたみたいです。カローラさんは、その時話していたバーニーおばさんに、「だから、私はあの子に感謝しているの」と言っていました。


 外に出てみようかなって、思いました。

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