第4話
「普通に言ってくれればよかったのに。」
そう羽月を小突く。
「いやぁ、たまにはこういうのも楽しいだろ?」
「まぁ悪くは無いな。」
「あ、そう言えば金山さんも来るらしいぞ」
羽月はニヤリと笑い付け足す。
「あ、もちろん女子一人では無いぞ。隣のクラスの武川さんも来てくれるそうだ。」
僕はそれを聞いて目を丸くする。
武川さんとは、金山と仲の良い友達であり、いわゆるカーストが高いと呼ばれるうちの一人である。
「は、羽月が誘ったのか?」
確認のために聞く。
「なわけなかろう。俺はそんなに勇気ないよ。金山さんを誘ったらあと一人誘っていい?と言われたので頷いておいただけだ。」
ただ一つ難点がある。
僕らと金山と武川さん。
カーストというものにおいての最上層と最下層が交わるとろくなことが起きないのは言わなくてもわかる。
まぁでも金山とは幼馴染だからという理由があるから何とかなりそうである。
寒いだけの冬に小さな灯りが点ったようだった。
僕が席に戻ろうとすると、羽月は呼び止める。
「中を見てもらえばわかるがプレゼント交換タイムがあるからちゃんとセンスのいいもの買ってこいよ。」
この言い草である。本当にいやらしいやつだ。羽月はこの手のセンスは抜群である。僕の誕生日にも僕が欲しがっていたものを僕にバレないように買い、渡すというイケメンな行動が出来るやつである。
もし顔も整っていて、明るければモテモテであっただろう。
その日一日僕は何を渡すか考えていた。
調べに調べた結果、いいものを見つけた。
これならいいと早速明日買いに行くことにした。
フツウノヒト ミルクティ @milktea_
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