第3話
その日の授業は非常に受けづらかった。
いつも以上にいろんな人から冷たくされた気がした。
が、別にそれは苦ではない。むしろその方がいざこざにならないのじゃないかと。
そう考えることで自分の心を無理やり静めた。
気づいたら辺りは暗い。
午後6時といったところだろうか。
ベッドに寝転がり考える。
ほんとにこんな人生でいいのだろうか。と
そんなに優しい人間ではないとか、目立ちたくないとか、でも普通では居たくないとか。
それはただの自己暗示ではないかと言う思いがこみあげてくる時がある。
自分というものを決めつけることで、僕は逃げているのだ。
自分と向き合うことを恐れているのだ。
そんなことを分かっていながらも逃げてる自分がすごく恥ずかしく感じていた。
でも今日は違った。
幼馴染ではあるが人のために動くということが出来た。
強引ではあるものの穏便に終わらせることが出来た。
そんなことを考えているともう夜も更けていた。
翌朝、登校途中に肩をぽんと叩かれる。
振り向くとそこには金山がいた。
「羽月くんから聞いたよ。言ってくれたんだってね。ありがとう!」
その言葉を聞いて、胸がざわめいたような気がしたのは師走も佳境だからだろうか。
「あ!雪だ!」
金山は小学生のように指を指す。
「お、ほんとだな。」
なんと雑な返しだろう。自分でも驚くようなテキトー差だがまぁ僕であるから仕方ないかもしれない。
「初雪だね。綺麗。」
「そうだな。」
僕は金山の顔を見て言う。
寒さからか顔が少し火照っていた。
学校に着くと、みんな窓の外を見ていた。
高校生にもなってみんながみんな雪とかどうかと思って席に着く。
机の中に1枚の便箋が入っていた。
〜クリスマスパーティーの招待状〜
なんだこれは。
入れるところを間違えたのだと思い便箋の後ろを見てみると、親愛なる友へ
と書いてあった。
なんだ、羽月か。
恐らく二人きりのゲーム会になるだろう。
まぁ楽しそうだし行ってみても良い。
僕は羽月の席へと向かった。
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