ノー・キャンピングデイズ

コラム

「大切なのは事前準備、大変なのは後片付け」

泊「キャンプだけじゃないかもしれないけど、事前準備が大切なのは身にしみました。小説でも書く前に資料を集めたり、シノプシスを書いたりしますしね。それと同じかな」


ソロ「そうだな。だが、キャンプにおいて大事なことはもうひとつある」


泊「ほむ。聞いてあげましょう」


ソロ「なんで上から目線なんだ……」


泊「ほれ、早く」


ソロ「まったく……。それは後片付けだ」


泊「後片付け? いや、まあ、それはそうでしょうけど。普通の旅行でも洗濯物や荷物の整理も必要になりますよね」


ソロ「そうだな。ただ、普通の旅行よりもやることが多くなる」


泊「例えば?」


ソロ「寝袋やテントを干したり、場合によっては食器類を洗ってしまったりしなければならないな」


泊「食器類は洗って帰るじゃないですか」


ソロ「まあ、そうなんだが。中性洗剤が使えないキャンプ場も多い。厳しいところでは、微生物に分解できるように純石けんや重曹しか使えないところもある。そうなると、汚れが落ちにくくなるんだ。帰ったら洗い直すこともある」


泊「ほむ」


ソロ「その他にコンロや金網の手入れもある。特に焚き火後、炭で汚れた焚き火台の手入れとか大変だしな。キャンプは生活場所の移動だ。そのために普通の旅行よりも自分でやることが多い分、アイテムも増えるので片づけも多くなるわけだ」


泊「ほむ。確かに」


ソロ「意外とネックになるのが、実はテントだ」


泊「テント? なぜです?」


ソロ「テントを掃除するにも干すにも場所がいる。庭や、近くに広げられる広場などあればいいが、ないと作業場所に苦労する。近くに無料のキャンプ場などあるならまだいいけどな」


泊「……テント、放置じゃダメですか?」


ソロ「まあ、泊が買ったような安いテントなら、使い潰すのもありだろう。ただ、次の時にきれいなテントでキャンプをしたいならやはり手入れはしたい。それに高いテントを買ったなら、手入れをしないともったいない。汚れや染みを取り、湿気をとる」


泊「ああ、そう言えばタケノコテントもカビがどうのと言っていましたよね。菌糸類のキノコテントにすれば問題ないのに」


ソロ「菌糸類ってどういうことだよ。タケノコテントのカビは材質の問題だ」


泊「ほむ。そう言えば、コットン系がカビやすいとか言っていましたね」


ソロ「よく覚えてたな。コットンなどは濡れたまましまって『来週、干そう』などと放置していると、もう手遅れで黒カビがわいていることが多い。帰ったら二日以内には干したいところだ」


泊「……それは普通の学生や社会人には難しいですよね。帰ってきて翌日が休みならいいですけど」


ソロ「その翌日が雨だったりすることもある……」


泊「ツライ!」


ソロ「干す場所もだが、干す時間も厳しいというわけだ」


泊「ほむ。なら多忙で横着なわたしは、干す場所にも困らない小型で、カビにくいコットン系以外がいいということですね」


ソロ「自分で横着と言ってしまうのか……。それから、収納場所なども考えないといけない。自信がないなら、キャンプ用品を買う時に詳しい人に助言をもらうのがいいだろう。キャンプ用品は買ってから意外に『自分に合わなかった』ということがあるからな」


泊「わかりました。では、ソロさん。キャンプ用品の買い物つきあってください!」


ソロ「やだよ。面倒……」


泊「即答!? なんていけず……」

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