【σσ 30本】炎 対 雷撃!

だんだん腹が立ってきた。この世界に転生された原因も一方的な暴力だった。

体が熱くなりむず痒くなる。全身の毛穴が開き汗が出ているようだ。暴漢達から逃げ回った過去を体の変化で思い出す。


「ファイアーボール!」


「ベタな魔法名だなっ!」


連中の全てが不快だ。


相変わらず、火玉は飛んで来る。このまま逃げ去って良かったのだろうが、五臓から涌き出る不快な感覚がそれを許さなかった。


「20人程度かぁ。範囲魔法で…」


「ろっくお( -_・)ん ファイヤ!!」



『女神の神罰が発動されました』



昼間だった空が急に暗くなり、黒雲が不自然に上空に発生するとその雲の中、水の粒子がぶつかり合い、静電気を発生させ雲の隙間から細い光の糸が絡まりながら溢れだし

次の瞬間。

ホーミングレーザーのように四方八方から邪悪な集団に向かって体を射抜こうと拡散照射された。


一瞬であった。瞬きする暇も、息を飲む暇もなかった。息巻いていた人殺し集団は全員床に倒れていた。


臭い匂いが、上空に上がる。


「神様。強っ!換気の心配はないか…屋上のバーベキューみたいな匂いだ…」


「旅人殿…」


「どうした?」


「す…まない」


渋い声が小さくなり


魔法の絨毯は重力に負けて旅人達を飴玉のように包み込みながら落下していった。


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