【σσ 18本】旅立ち!

永かった。青空を観ながら感慨に耽る。ようやくの旅路に。


今、街道を西に歩いている。馬車に乗ればいいとおっしゃるかもしれないが、チート武器が余りに高すぎて、今手持ちは勇者の1000ゴールドしかないのだ。だから道すがらモンスターを狩って資金を得ながら旅をしよう!という事になった。


パーティー5人以上でギルドが設立出来るらしい。スライムからギルドについてのレクチャーがあり設立した。一応この冒険者ギルド蒼の不死鳥ポイニクスのマスターは旅人たびとなのだか完全にレジェンド達に主導権を取られギルドのヒモに成り下がっていた。


「ピルクール!」


『戦士のHPな2000回復した』


甘い匂いがする。


甘い匂いも込みの回復魔法ってなんだ?腸内も回復しそう。


レベルが上がりようやく回復魔法を覚えていた。戦闘は続く――



――『盗賊が現れた!』


『盗賊Aが現れた!』


『盗賊B、C、B、Eが現れた!』


盗賊Aが叫んだ!


「おいっ!貴様らぁ!命が惜しければぁ置いていけぇーい!水飲ませろーぃ!」


ハロプロの定番の踊りのように腕を前に出し小刻みに体を揺らしている。


「何を置けばいいの?あと喉渇いているの?」


旅人たびとは答えた。


「…」


「何って…金とか、食料だけど…?…何をじゃないでしょ?そこは…今さぁ…俺、勢いよく見栄を切ったよね?」


「はい」


「こっちにもさ!演技プランってものがあるんだから!ただでさえ監督にお前の引き出しはこんなものじゃないだろっ!って追い詰めめれてるんだから…あの人追い詰め過ぎっオーディション落とし過ぎ!」


「ごめん。ごめん。驚けって事?」


「聞かないで!感じて!こっちが恥ずかしくなるわっ!」


「もう一度最初からやるからね?いいね?わかっているよね?」


「いいよ☆」


「軽っ!」



「おいっ!貴様らぁ!命が惜しければぁ置いていけぇい!」


盗賊Aの演技の引き出しは少なかった。


「うわぁぁ。怖いよー誰か来て!大人の人来てー」


「下手くそかよ!棒読みも甚だしいわっ!」


「あのさ?」


「なんだよ?」


「さっきからあなただけ話しているけど?」


「他の盗賊B、C、B、Eからハブれてるの? 」


さらっと酷い事を言う旅人たびと


「マスター!盗賊さんとはいえ、それはあんまりです」


主人公の無意識の暴言に、注意をするメイドさん。さすが保護者兼ツッコミ担当です。


「俺…はここのグループのリーダーだし…ハブられてねーし」


図星か…。


旅人たびとが何故そう思ったのかと言うと、先制攻撃で対象がグループの神聖攻撃魔法を放とうと敵を選択していた時、Aとその他の選択になっていたからだ。


「グループラインに入ってないでしょ?」


「ばっか!!ラインなんて初めからしてねーし!手紙だし!矢文だし!」


いつの時代の話だよ。


『盗賊Aは逃げ出した』


「マスター酷い…です」


メイドさんにドン引きされました。







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