【σσ 15本】 勇者!
「
パーティー全員のMPを代価に最終奥義を放つ。目も眩む七色に輝く光の超雷撃が魔王のおぞましい姿の半分を消し炭にした。
「ウガァァァァア!!ぉ…おのれぇ!許さん!許さんぞぉ!先住の王たる我を迫害した挙げ句滅ぼそうというのか?女神の犬どもめっ!」
「大魔王様さえ…ご健在ならば…あの忌々しい呪いさえ解ければ…」
「グガァァ……この私が滅ぼされるのか…クククッ貴様らも道ずれだ!覚悟しろっ!!」
「
仲間達は次々氷の結晶牢獄に捕らわれる。
結晶に次々と指差しながら魔王は唱える。
「
指を指された氷の結晶が粉々に砕けていく。
魔王の魔法は赤髪の女戦士には届かなかった。このパーティーのリーダー、勇者が彼女を身を呈して守っていた。
彼も結晶の牢獄に囚われており、魔王の魂ごと滅ぼす無の宣告を待っていた。
これまでの戦闘で傷だらけで瀕死の状態だった女戦士だったはずなのだが、最後の力を振り絞り勇者を捕らえた結晶を背中に担ぎ上げ死の指先から逃げ回って――
――――魔王は力尽き…た。
――ここは?…桜が吹雪いている。
俺は、魔王と戦って…死んだのか?では、ここは天国か?それとも地獄なのか?地獄にしては美しい桜吹雪だ。
頭がぼっーとしている。
「――マ」
「――マサ」
「――――マサユ」
「マサユキ!」
抱きつかれた。
「…」
「相変わらずごっついなお前…」
「…おい!復活しての一声がそれか…バカ…」
「生き返ったのか?」
無表情メイドさんの目が潤んでいる。
感動的な場面なのだろう。しかし感情の欠陥があるのか、僕は特に何も感じなかった。経緯も知らないし。後で事情を聞いてみよう。
冥土の鏡は割れて形状を保てなくなると砂のように崩れ消えた。
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