【σσ 13本】 恐怖の訪問者!

「ドンドン!ドンドンドン!」


鳴り続くノックの音。


「なっなんなんだしつこい!アイリちゃん…ちょっと見て来て」


「何かされたのですか?何か緊迫感を感じるのですが」


「何もしてないって!借金は前の世界に置いてきたから!もう時効でしょ」


「帰ってもらって!誰だか知らないけど、とにかく、帰ってもらって!」


「ドンドンドンドンドドドンバキバキ」


「「バキバキ?」」


顔を見合せ同時に話す僕とメイドさん。


「バアアァァァァァァン!!」


扉が壊れました。拳が空いた穴飛び出して見える。どんな怪力だよ。っていうかノックというか正拳突きしてますよね。ああ…腕まで入ってきて部屋のドアノブをひねられ、扉を開けられました。


「お前が神官が言っていた冒険者か?」


ベッドで仁王立ちしていた僕は、掛け布団を被せ顔だけ出していた。


「怖い怖い!なんだよあんた?警察に通報するよ!…神官?ああこの間のクエスト依頼主だったけど」


「時間がないのだ!よこせ!砂時計を!」


「は?頭可笑しい人?誰かー大人の人助けてっ!!」


「バッ!」


僕の前に立つメイドさんいやアイリ天使様!


アイリの背中ごしに見る暴漢はって…女?

美人だけれど髪が真っ赤だし何?背が高いなぁ。ん?棺背負ってるのよ…こわっ!アンダーテイカーかよっ!


「これ以上の狼藉は許しません!」


アイリは両腕を綺麗な水平にして僕を守る体勢に。


「か…かっこいい」


「どうしても必要なのだ!持っているんだろ?時の砂時計を!」


「ないけど」


女子の背中にへばりつきながら答える男子…最低です。


「そんなはずはない!ロキの薬草を得るには砂時計がないと不可能なはず!」


「あの北の洞窟のロキクエスチョンは自力で答えたんだけれど…」


「自力?時の砂時計を使わずに?そんな馬鹿な!私も一度あの洞窟で試したが、文字が見えないほどの刹那で、どうやっても文字を見分けられなかったぞ!」


「…フッ」


掛け布団を置き。アイリの前に急に出た僕。


「フフフフフ…」


「フフフフ我はこの世界の王となる男だ!」


つい先程の芝居がかったテンションに戻る。


「我はそんなアイテムなぞ使わずとも瞬間的に記憶する能力者なのだ!」


「そ…そうなのか?」


つい先程の急戦的な態度は何処へやら、旅人たびとの可笑しなテンションに場の空気は一変する。


「察するに時間を遅らせる力を欲しているようだが?」


女戦士は、懐から紫色の手鏡を取り出し。


「この冥府の鏡は月の光を反射させ、復活の呪文を唱えると死人を生き返らせる力がある。だが先程の洞窟のクエストと同じく刹那の時に鏡に文字が現れ消えてしまうのだ。故に時を遅らせる砂時計が必要だったのだ」


「説明台詞ご苦労」


より尊大な態度になる僕。


「我にならその呪文を読み取ることは可能だ。そんなつまらんアイテムなぞ使わずともな!」


「本当か?頼む!読み取ってくれないか?」


「いいよ☆」


「「軽っ!」」


ユニゾンするメイドと女戦士でした。









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