【σσ 10本】報酬!

洞窟の終着点は崖だった。2時間ドラマの犯人が何故か最後に、追い詰められる場所。

ああ…崖っぷちって言う比喩的ロケーションなのかな。そうなのかな?そう言えば昔のゲームでもイベントシーンは崖が多かった気がする。崖ってなんか、切羽津まった感じがあってシーンに緊張感を持たせるのだろうね。そういえば、日本でも崖から突き落とされた悪僧の名前がついた地名もありましたな。えっと、ヨウジンボウみたいな名前だったような…。

いいロケ地も見つけたところで、帰ろうとしたが。


「マスターミッションを!」


「忘れてた///」


旅人タビト殿は何か魔法を使ったのですか?」

額に汗をかくスライム。常に汗をかいているようなものだけどね。水の塊だし。


「魔法なんて使ってないよ。写真記憶ってヤツかなぁ。画像として脳に記憶という感じ。」


「魔法や、魔道具を、使わないでそんな離れ業をされるとは、凄いお方だったのですね。そうとは知らず数々のご無礼お許し下さい!」


「いいって。別にたまたま授かった先天的な能力だから、努力して手に入れたものでもないし。誉められらるもんじゃないよ。」


誉められてテンションが上がり、長文で返答しちゃいました。赤面です。


薬草は崖ぎりぎりに立っている木の根元に生えていた。


『ロキの薬草を手に入れた』



――「まさか!負けた…」


「お告げの通りだったわ!」


シュテンドウシの北に位置するユーノー神殿の境内、タヌキ顔の可愛らしい女性の神官と、狐目の銀髪ロングワンレンの騎士らしき女性が話している何か賭けをしていたらしい、神に仕える身なのに賭け事なんて、罰当たりですね!神殿で野宿したヤツも同じくですけれどね。


「あのーお取り込み中すいませんが…報酬の方を…」


「あっごめんなさい!これが報酬です。」


『10000ゴールドを手に入れた』


やった!いぇーい。これで宿に泊まれる、ようやくベッドにダイブ出来るぞ!


軽く会釈をして、くるっと半回転さぁ念願の宿屋へ。


「お待ち下さい!こんな高ランクのクエストをクリヤー出来るなんてどこの有名な冒険者様でしょうか?私たちは神殿に居ることが多いものですから、時勢に疎いのです。」


「ただの初心者冒険者ですよ。初クエストでしたし。」


「「本当に!?」」神官と騎士がユニゾンした。

「このクエストをクリヤー出来たということはロキのアイテムを使ったはず!それを私に譲っていただけ…あっ?ちょ待って…」


騎士の言葉を最後まで聞かずに、宿に直行する旅人たびとほかのパーティーでした。






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