【σσ 7本】洞窟そして…!
朝霧を見たことはあるだろうか。僕は通勤電車の中から霧が漂う町を見た事がある。いつも見ている風景からあまりの変わり様に別の世界を見ているように感じた。水蒸気が粒子となって空中に浮かんだ状態の自然現象と分かっていても神秘的、幻想的だったのだ。
「寒っ!」
「おはようございます。マスター」
「お…おはよぉ」
周りの白い靄で少し動揺するが、昨日ノンレム睡眠をしっかり取れたせいか頭はクリアーだ。
記憶の整理もついた。異世界生活2日目だ。
寝床を片付けている美人の秘書もいる。僕は大丈夫だ。などと自分を励ましながら、腰を押さえ立ち上がる。厚手の布を引いてくれていたとはいえ、下は石畳。寒さも合間って腰が痛い。
「ありがと。アイリさん」
ニッコリと笑う彼女。可愛い…付き合ってください!
僕は世話をしてくれて当たり前だと思っている生意気なモフモフ(犬猫)ではないのだ。感謝しながら面倒をみてもらうのだ。常に感謝の心を忘れないニート。
「マスター薬草を採りに出掛けられますか?」
「…ます」
やはり仕事はしないといけないらしい。
洞窟に入る二人。デートだったらどんなに良かったろう。しかし現実は甘くはない、お仕事をさっさと片付けてしまおうと思いながら早足で歩いていたその時
『スライムが現れた!』
や…ばい!初モンスター!テンション上がる!
狩るぞ!狩るぞ!えっと攻撃は、どうすればいいのか?そう思った瞬間目の前に、ネットゲームのコマンド画面みたいなものが目の前に現れた。
『装備武器戦闘』
『素手』
『魔法』
『逃げる』
『アイテム』
『交渉』
『外交』
これを選べば攻撃できるのか? !?途中から信長の○望みたいなコマンドになってるんですけど…全国統一しなきゃいけないのかな…
魔法の文字に目線が行くとさらに新たな文字が現れる。
『ニフライム(邪悪な存在を神聖な光により消し去る)』
これだ!
「ニフライム!」
呪文を唱える!
黄金の光の渦がスライムを包む。
「ボクは、わるいスライムじゃな…」
スライムは何かを言い掛けて光の渦の中に消えてしまった。
『スライムを倒した!』
『青の輝石』
『ねばねばローション』
『スライムの遺言』
『を手に入れた。』
『レベルが1上昇→11になった。』
『以下省略…ステータスコマンド参照を』
『タカラカの魔法を覚えた』
なんか使わない使えない魔法の予感。
モンスター倒してレベルが上がるタイプかいいね♪。
「シンプルに敵を倒してレベルが上がるロールプレイングゲーム意外は、最後までにクリヤーした事がないからよかった」
この世界は初級者向けのゲーム設定なのだろろうか
「マスター大丈夫ですか?
「うん。この魔法ヤバいね。一瞬でモンスター消し去っちゃったよ」
「ひとの話は、最後まで聞けぇぇ!」
洞窟に轟く大音響。
光の渦から水しぶきが溢れ出し、その水は僕の顔に収縮し覆い被さる。
「ぐわっ!ぶくぶくぶく…ぐるじぃ!」
水の塊になり僕の顔を覆った。息が出来ない。
おいおいおい。異世界初バトルでいきなり窒息死ですか!?そー思いながら意識朦朧、洞窟の地面に倒れ混んだ僕でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます