【σσ 5本】始まりの町シュテンドウシ!
歩いた…歩いたなぁー。スマホ持っていないのが悔しいっ!万歩計アプリでどれだけポイントが獲得出来たか。缶コーヒー買えるくらいに貯まってたよなぁ。人にもモンスターにも全くエンカウントしない。メイドさんとの平和な散歩最高なのだが。絵が変わらなすぎる。
けれども半日も歩き…くたくた。
しかし田舎だなこの辺りは。道らしきものはあるけど、現地人に全然会わない。って言うか人いるの?まさかモフモフ獣族のみ生息する世界とか勘弁だけれど。この世界の変境地なのか?とにかく自販機がない !日本に居たときは、5分歩かなくても設置してあったのに。直ぐに缶コーヒーが飲めるありがたみを異世界で知りました。
旅初日からグチグチ愚痴ってると遠く前方に巨大な煙筒が見えた。ようやく町にたどり着くみたいだ。銭湯かゴミ焼却炉でもあるのか?あと火力発電所では…絶対ないとして。
「マスター。こちらが初見と暴れものの町シュテンドウシです」
城壁に囲まれた町だった。それにしても高い壁だ。勤めていた会社が入っていた30階の高層ビルぐらい高さ。
門の前にはが二人の番兵が立っていた。
「ゲームみたいに、魔法覚えたから、ガンガン使ってコロシてやろうと思ったのに。モンスターらしきモノについに遭遇しなかったなぁ。」
「マスター。物騒ですよ」
他愛のない会話をしていると番兵の一人が話しかけて来た。
「ようこそ!シュテンドウシに!」
「どうも。こんにちは。日が暮れかけているからこんばんわ!かなぁ」
歩き疲れた。とにかく休みたい!ベッドで寝たい。
「この町に入っていいですか?」
「ようこそ!シュテンドウシに!」
「?」
えっと…聞こえなかったのかな。あんまり、腹から声出すタイプじゃないからね僕は。
「この町に入っていいですかっ!」
「ようこそ!シュテンドウシに!」
「笑って?」
「ようこそ!シュテンドウシに!」
「アイリちゃん これって!?」
「マスターはもう察してらっしゃるのでは?」
「NPCみたいなもの?」
「流石です。マスター」
どんなつまらない内容でも褒められるとテンション上がるよね
「この兵士は型番C-No.2617パペットです。」
「お人形って事ね」
「この世界の人間みんなこんなんじゃないよね?」
「はい。各町の兵士は主にパペットが担っております。この世界はまだ構築されてから日が1000年と浅いのと最近魔王との大規模な戦争もあたった為、人口不足なのです。」
「どこの世界も人手不足なのね…。て言うか魔王いたの?!!」
「パペットは、 シャーロリア・エリザベス・ラピストリ様の魔力より起動しております。」
「聖女様…だったっけ?コレを操ってるのが。で、この世界でこいつ何体いるの?」
「正確な数字は把握しておりませんが、戦闘タイプでは100万体ほどでしょうか。」
「…」
聖女っていうか軍隊のトップだよね将軍とか、元帥の間違えでは?飾りの為政者じゃなくて、制服組のトップかぁ。怖いなぁ。会いたくないなぁ。帰りたいなぁ。帰る場所なんてないけれど。
「ざるだなぁ。」
今、町の中央広場にいる。
番兵はあっさり町に入れてくれた。後は宿で休むだけなのだが。お金がない。
「お金ある?」
「カネとは?」
そう言えば天使だったっけね。物質世界とは無縁なのだろう。聞いた僕が馬鹿でした。
稼がなければならないのか。あの神様は僕を甘やかすとか言っていたような気がするのが、いきなりしんどい事になっているのですが…。
「マスターこれをご覧下さい!」
アイリが手をかざした先には木で造られた大きな掲示板みたいなものがあった。
「こちらでクエストが受けられるようです。どのクエストを受けられますか?」
事務的に話し始めたメイドさん。
クエストかぁ。ゲーム感が益々増してきましたな。はぁ…異世界にまで来て働きたくない!と強く思いました。
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