【σσ 4本】王権神授説!

『ステータス反映!』


 聞き覚えのある女性アナウンサー口調が、聞こえて来た。


 視界が少しぼやけている。しかし今まで、朝起きて直ぐ視界が滲むこともあったので、あまり気にもしなかった。


「幸せな肉感…だっ!。異世界転生され、美女メイドさんに膝まくらされて…二人で幸せに暮らしましたとさ。めでたし。めでたし。」


「こらっ!」


 首飾りのメダルは宙に浮き点滅しながら光る。


「つまんないこといってないで行くわよ!」


「どちらに?」


「聖地ファストユナに!この世界のせーち!そこで聖女シャーロリア・エリザベス・ラピストリにあってもらいますっ!」


「何故?もう僕の物語は今もうエンディングクレジットが流れていて、もう少しで ジ○リ映画みたいに、おしまい が出る状態なんですけれども。」


「そこの、グレパ大聖堂で、戴冠式をして、あなたにはこのせかいの王様になってもらいますっ!」神様少女は中身が中年の野戯言を無視して話し続けた。


「王?…クズになれと?」


「おうさまにどんな偏見をもっているの!?」


「側室を数え切れないほどもったり、気に入らないジャーナリストを惨たらしく暗殺したり…」


「具体的すぎっ!残酷すぎっ!!と…とにかく!せーちジュンレイのたびにでてもらいますっ!わたしは、かみさまだから超いそがしいの!これいじょうは、じかんをさけないからあとはそこの膝枕天使にきいて!おうさまになってしあわせになっ「ユノ様こちらの稟議書の決裁印を、お願いします!」ツーツーツー…」


「膝枕天使って…」


 携帯というより、固定電話かよこれ。後、最初このメイドさん大天使って言ってなかったっけ?クラスダウンしてんじゃん。輝きを失ったメダルを睨み付けながらそう思った。


「マスター。私はアイリと申します。お世話をさせていただきます。これから宜しくお願い致します。」


「う…うん。でやっぱり聖地巡礼の旅とやらをしなければ…」


「はい。なりません!」食いぎみにメイド天使は言った。


「目的は、何でもあった方がいいか…暇なのも、地獄だ」


「あの子が神だって言うのも怪しいけれど、キミが天使って言うのも…キャラが立っていないというか。少年マンガだと、シルエットでキャラクターが分かるぐらいに描けって言われるらしいのに。完全にメイドさんなんだものなぁ」


 膝枕されながら、好き勝手言う僕。思ったことを言っちゃう癖が発動。それが死因の一つでもあったのに。


 無表情だったメイドさんが一瞬イラっとした顔をしたような気がした。可愛顔の子がするそういう表情っていいよね。ギャップ萌えってやつ?ツンデレならぬデレツン…語呂が悪いか…。


 そしてしばらくは膝枕されたままぼっーっと雲を眺めていた。…あれですよ!膝枕を堪能していた訳ではないですよっ!しばらく色々な事が起き過ぎたので、脳のクールダウンというか記憶の整理をしていたのですっ!現代社会の皆さん!コレ大事なんですよっ!


 そして嫌々…いや意気揚々と旅立つのでした。















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