【σσ 1本】 死んだら怒られた!
目が痛い。
「眩しい」
朝焼けの薄い橙色の光 が眼球に青く残像を刻み込む。
部屋の周りには霧が 立ち込めてフラクタルな動きをしていた。
通勤用のリュックサックを背負ったままパイプ椅子に座っている。
天井は星々に溢れ 流星が流れたりしている。
昔観た獅子座流星群のようだ。
「美しい…」
実家のマンションの屋上での思い出に耽る時間もなく
「わたしの大切な子ども!」
「わたしの大切な子ども!」
立て続けに
「神さましんじる?」
「神さましんじる?」
追い回されて気が立っていたのであろう。普段余りイライラしない性格の僕は何故か
声帯を通して空気を強く震わせていた。
「だまれっ!」
黄金の後光を差しているどうみても高次元生命体みたいな光の少女に
僕は声をぶつけた。
「だいせつな、しつもんなのにーぃぃ!」
少し泣き声でしかし語尾は強めに
彼女は非難の言葉を続けて
「はんせいしてない!」
「はんせいしてない!」
中学生からの謝り癖で反射的に口からでていた。
「ごめんなさい…」
少女は紅潮したほっぺたを膨らませながら睨みつけ
「三度許してあげるのは別のかみさまだからねっ!」
かなりお怒りのご様子だ。
年は小学生低学年くらいだろうか
純白のドレスを着ている。
僕がかなり動揺していたのだろう、その様子を見て少し落ち着いてたのか。
「もぉーしょうがないからゆるしてあげるー」
許された…。
何が悪かったのかわからんが。
「えっと 三度って言うけど大声上げたのは今だけなんだけど…」
「口答えするの!三度も許して上げたのにぃ」
「違いますよ よくわからないだけで…」
また怒り始めた少女に慌てて敬語になってしまう。
「 わからないの?
こんなに心配かけてさ
なにさまなの?
ほごされる立場のくせにぃ!」
保護って言ったのか?どういう事?言い返そうとしたが光の少女は言葉を挟ませず。
「いちー
かってに、しんだことー
にー
わたしに、きづかないことー
さんー」
「 怒鳴ったこと。」
最後急に冷たい声色になった
三番目が、一番気に障ったようだ。
夢か、現か、幻か、ぼんやりしていた意識がやっぱりしんだんだ。と、こんな形で現実を突きつけられる。
「僕やっぱり死人なんですよね?」
「100ぱー しにんですー」
重い現実を、軽く返される。
「えっと あと どこかで会いましたっけ?」
「まだ、きづかないの!」
「みて!」
「みて!」
「視てますけど」じーと少女を見詰める。
「わたしじゃない!」
「誰を見ろと」
「それ」
「それ」
指差す先は僕の首元だ
「これ?」
激しく動いた後コインのネックレスがシャツから出ていた。
コインには、昔美術館で観た西洋画の天使の様な美しい女性が彫られていた。
「で?」
「このコインのセイレイをしらないの?」
「せいれい?」
「聖霊!かみさまとにんげんを、繋ぐもの!」
「???」
「携帯で言ったら電波みたいなもの。5Gー。」
急に饒舌に話始めた少女に、さっきまでのほんわかしたキャラが、作ってるんじゃと疑い始めた。
「あっ…」
「ご」
「め」
「ん…」
今度は少女が謝る。
「たってない コレ。」
携帯の電波みたいに…
「どーりでこっちからのアクセスが、できないわけだぁー」
「あハハハ」
「このコインは、死んだじいちゃんの形見なんですけど」
「それは、しんじんぶかいにんげんが、かみさまからオンケイをうけられる。そうち!」
「しゅごするものがほってあるの!」
「この美人が、きみ?じいちゃんからは、どこかの、国の守護神って聞いたいたような…確かの子どもと結婚の守護する神だったと」
「そうそう」
「わたし」
「わたし」
オレオレ詐欺みたいな言い方で…
「神様なんです…よね?」
「うたがうの?」
「人を見たら泥棒と思えと言うのが家の家訓なもので。」
「どんなかていに、そだったの!」
ない胸を張り、腰に両拳を添えて
「わたしはユノ!あなたに恩恵をあたえる女神さまなのよ!」
「神さましんじる?」
「はぃ。」
昔の癖が発動。その場の雰囲気に流されて、適当に答えてしまった。
「よろしい!では恩恵を授けます!」
ユノは僕の額に人差し指を添えると
僕の体が蒼く光り輝きだした。
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