第19話











『うぉおおおおおおおー』


暴走を続けるクーパーのしがみついたまま久能はクーパーの首元に付近でポケットからあるものを取り出した。



『ダメよ!クノウ!』ソフィアは久能に向かって叫んだ。



久能はソフィアの方を見ると微笑みを返した。



それが久能秀隆の答えだった。




そして久能はクアトロの解毒剤の入った注射器をクーパーの首元に突き刺した。










静寂が訪れた。



クーパーも動きを止め、久能もその場で止まり、地上にいるディクソンやソフィアたちも静まり返っていた。



しかし突然、クーパーがもがき出した。



『あなた!』 『パパ!!』キャシーとミシェルは叫び声を上げる。



久能は、もがくクーパーから吹き飛ばされて、地面に叩きつけられた。


ソフィアが近づく『クノウ!大丈夫!』


『ああ、オレは大丈夫だ・・・』そう言うと久能はクーパーの方を見上げた。


『ダメだったのかしら・・』ソフィアがつぶやく。


『・・・いや、よく見ろ』久能がソフィアに言った。



ソフィアが再びクーパーの方を見ると、クーパーの体に異変が起きていることに気づいた。



クーパーの体は徐々に小さくなっていった。


そして最終的には元の人間の大きさに戻っていた。



『パパ!』ミシェルはクーパーの元へ行き、抱きついた。


クーパーの意識も戻っていた。


『ミシェル!』


両手を口元にあて、涙目になっていたキャシーもクーパーに近づく。



『一体・・どうなってたんだ・・』


『クーパー、あなたの体の暴走は止まった』久能が説明に入った。





『ありがとう・・』クーパーは久能にそう言うとミシェルを強く抱きしめた。









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