第19話
1
『うぉおおおおおおおー』
暴走を続けるクーパーのしがみついたまま久能はクーパーの首元に付近でポケットからあるものを取り出した。
『ダメよ!クノウ!』ソフィアは久能に向かって叫んだ。
久能はソフィアの方を見ると微笑みを返した。
それが久能秀隆の答えだった。
そして久能はクアトロの解毒剤の入った注射器をクーパーの首元に突き刺した。
2
静寂が訪れた。
クーパーも動きを止め、久能もその場で止まり、地上にいるディクソンやソフィアたちも静まり返っていた。
しかし突然、クーパーがもがき出した。
『あなた!』 『パパ!!』キャシーとミシェルは叫び声を上げる。
久能は、もがくクーパーから吹き飛ばされて、地面に叩きつけられた。
ソフィアが近づく『クノウ!大丈夫!』
『ああ、オレは大丈夫だ・・・』そう言うと久能はクーパーの方を見上げた。
『ダメだったのかしら・・』ソフィアがつぶやく。
『・・・いや、よく見ろ』久能がソフィアに言った。
ソフィアが再びクーパーの方を見ると、クーパーの体に異変が起きていることに気づいた。
クーパーの体は徐々に小さくなっていった。
そして最終的には元の人間の大きさに戻っていた。
『パパ!』ミシェルはクーパーの元へ行き、抱きついた。
クーパーの意識も戻っていた。
『ミシェル!』
両手を口元にあて、涙目になっていたキャシーもクーパーに近づく。
『一体・・どうなってたんだ・・』
『クーパー、あなたの体の暴走は止まった』久能が説明に入った。
『ありがとう・・』クーパーは久能にそう言うとミシェルを強く抱きしめた。
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