第18話
『彼は末期のガンに侵されているの』ソフィアがキャシー話しかけた。
『そんな・・・どう言うことなの・・』キャシーは手で口を抑えた。
『そして騙されて、変な薬を投与されたんだ』久能が語る。
『パパは助かるの?』ミシェルが詰め寄ってきた。
久能は少しだけ黙り込んだ後、『病気は救えない・・・ただ、巨人化した彼は救える』
『おい!お前たち、何をしてくれてるんだ! そこをどけ』警官2人が拳銃を構えたままで怒鳴りつけた。
しかし、その警官の前にディクソンが現れた。
そして拳銃を向けていた。
『おい!ディクソン!どういうことだ』
『これが警察のやることか』
『・・・・』
ディクソンは久能の方を見ると『任せていいんだな』とつぶやいた。
久能はそれに相槌を打った。
そしてクーパーの方へ飛びかかっていった。
クーパーは腕にしがみついた久能を振り払おうと大きく腕を回した。
それでも久能は離れない。
久能はそのまま腕を大きく伸ばしクーパーの顔付近まで近づいた。
クーパーは久能を振り払おうと体を左右に揺さぶった。
しかし久能はしっかりクーパーにしがみつき、離れなかった。
『何をしようとしてるの・・?』キャシーはつぶやく。
『まさか・・クノウ・・』ソフィアは何かに気づいたかのように囁いた。
◇
数時間前:ホテルの一室
『これは君が持っておくんだ』佐渡がクアトロの解毒剤を手に取り久能に渡した。
『本当は使ってほしくないんだろ?』久能は佐渡に問いかける。
佐渡は少し笑みを浮かべると『君の人生だ、我々が決めることではない』
そう言うと佐渡はPCに向かって仕事に戻った。
ソフィアは片隅で、2人のやり取りを眺めていた。
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