第18話




『彼は末期のガンに侵されているの』ソフィアがキャシー話しかけた。



『そんな・・・どう言うことなの・・』キャシーは手で口を抑えた。


『そして騙されて、変な薬を投与されたんだ』久能が語る。


『パパは助かるの?』ミシェルが詰め寄ってきた。


久能は少しだけ黙り込んだ後、『病気は救えない・・・ただ、巨人化した彼は救える』



『おい!お前たち、何をしてくれてるんだ! そこをどけ』警官2人が拳銃を構えたままで怒鳴りつけた。


しかし、その警官の前にディクソンが現れた。


そして拳銃を向けていた。


『おい!ディクソン!どういうことだ』


『これが警察のやることか』


『・・・・』



ディクソンは久能の方を見ると『任せていいんだな』とつぶやいた。


久能はそれに相槌を打った。


そしてクーパーの方へ飛びかかっていった。



クーパーは腕にしがみついた久能を振り払おうと大きく腕を回した。


それでも久能は離れない。


久能はそのまま腕を大きく伸ばしクーパーの顔付近まで近づいた。




クーパーは久能を振り払おうと体を左右に揺さぶった。


しかし久能はしっかりクーパーにしがみつき、離れなかった。



『何をしようとしてるの・・?』キャシーはつぶやく。



『まさか・・クノウ・・』ソフィアは何かに気づいたかのように囁いた。







数時間前:ホテルの一室




『これは君が持っておくんだ』佐渡がクアトロの解毒剤を手に取り久能に渡した。


『本当は使ってほしくないんだろ?』久能は佐渡に問いかける。


佐渡は少し笑みを浮かべると『君の人生だ、我々が決めることではない』



そう言うと佐渡はPCに向かって仕事に戻った。



ソフィアは片隅で、2人のやり取りを眺めていた。






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