第16話






佐渡は久能に言われた通り、クーパーの家族についてホテルの一室で調べていた。



久能とソフィアはクーパーを探しに出ていた。



PCに目線を向けていたが、人の気配に気付き佐渡はPCに画面を見つめながら口を開いた。


『エージェント7だな』


黒いスーツの男は拳銃を構えたまま答えた。


『久能秀隆はどこにいますか』



『比留間の命令か?』


『あなたに答える必要はありません』


エージェント7は同じZACKの人間として長官である佐渡に敬語で接した。


『教えるわけにはいかない』


『仕方ないですが、力ずくでも教えてもらいますよ』



その時、佐渡の携帯に着信が入った。


佐渡はその着信人物を確認した黄昏貴美子だった。



『本部からだ、少し待て』佐渡は片手でエージェント7を制すると携帯電話に出た。



少しの間、話をした佐渡は電話を切るとエージェント7の方を見た。



『比留間が拘束された、あいつは”バベル”と繋がっていた』



エージェント7は明らかに動揺してた。


『どう言うことですか?』


『比留間の行動に不審を感じていたから、私の部下に張らせてたがしっぽを出したようだ』


するとエージェント7の携帯にも着信が入った。


エージェント7が携帯電話に出ると相槌を打つに徹していた。



約5分ほど話をするとエージェント7が電話を切り、佐渡の方を見つめた。




『佐渡長官、次の指示をお願いします』







久能とソフィアはシドニー郊外でクーパーを探していた。




『本当にこんな所にいるの?』ソフィアは久能に話しかけた。


『中心部では目立ちすぎる、身を潜めるなら郊外の人気の少ない場所を選ぶ』


ソフィアはまだ腑に落ちない表情をしていた。



『オレの経験上だ』


そう言うと久能はクーパーを探しに歩き出した。




3



◇シドニー市警




廊下の片隅で上層部の男たちが人気を気にしながら会話をしている。




『これ以上、街を混乱には出来ない』



『クーパーが巨人化するまえに、始末するんだ』



上層部たちは意見を確認し合うと、それぞれ持ち場に戻っていった。




この会話を一人聞いてた人物がいた。




ディクソンは何かを思いつくと、その場から駆け出していった。







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