第44話 魔道具を作りまくる

 まあ、アレって言っても大した事じゃなくってただ単に通信機を作ろうかなと思っただけなんだけどね。


『別に大したものを作る訳じゃないよ。普通の通信機を作るだけだからね。でもあまり邪魔にならない感じのものじゃないと動く時に当たっちゃうから、小さくて磁石みたいに引っ付くものが良いかなと思うんだけどクラーはどう思う?』

『そうですね。ですがくっつくのでしたら身体のどこにでもくっつくものの方が使い勝手は良いと思います。後は大きさも自由自在に変えられるのなんかはどうでしょうか?』

『それ良いね!じゃあクラーがベースのものを作って私はそれに書き込むから』

『分かりました!どんなのを作りましょうかね……?』


 クラーは首を傾げながら考えているみたい。かわいいなー。なんだかほっこりする……。

 なんて思っていたらクラーがいつの間にか作り終わったみたいで


『主様、こんな感じでよろしいでしょうか?』


 と言って出されたのは赤いボタンみたいなものだった。赤色なのはなんでなのか気になるけどなんとなく分かるような分からないような……?まあ、良いっか。


『いい感じだと思うよ!じゃあ書き込んでいくね!』


 えっと確かに大きさが変えられて身体のどこにでもくっつくようにして後ついでに色も変えられるようにしてっと。こんなもんかな?なにか忘れているような気がするけど気のせいかな?


『これでこれは終了かな。後はこれと同じのをいくつか作って繋げてあげればオッケーだね!じゃあクラー他にも作ってくれる?』

『勿論です!何個も作っちゃいます!』


 それほど私と一緒にやるのが楽しいのかな?クラーが喜んでくれるんだったらいくらでもやってあげるからね!嫌って言うほどやるから覚悟しててね?

 それでクラーがかなり張り切っちゃったみたい。だからクラーの持っているエネルギーを限界まで使い果たしそうな勢いだったので忠告をする。


『気合が入るのはいいんだけど、ちゃんと作り過ぎに気を付けてね?』

『はい!ちゃんと分かっていますので、大丈夫ですよ!それにやり過ぎてもきっと主様がなんとかしてくれると信じてますので問題はないですよね?』


 確かにそう言われてみるとその通りなんだけどさ……。だけど私が心配し過ぎて大変になるからなるべくやめてもらいたいんだけど?


『確かにクラー的には問題ないかもしれないけど、私が心配で大変になるから本当にやめてね?』

『ふふふっ……。それは嬉しい事を聞いてしまいました!ここぞという時にやらせていただきます!』


 えっ?マジですか?それはやめてほしいんだけど仕方ないのかな。私も散々みんなに心配をかけさせてきたので文句が言えないよ……。


『お手柔らかにお願いします……』

『そうなるかどうかは主様次第ですけどね?私も主様にあまり負担をかけたくはないですけどそうなる可能性が無い訳がないので、私にもわかりかねます』

『まあ、確かにそうなったら遠慮なく頼ってくれても問題ないけどね』

『それなら、良かったです。でもなるべくそうならない事をお願いますがね。はいこれです。出来ましたので後はお願いしますね!』


 そればっかりはどうなるか分からないからね。

 受け取ったものをさっきと同じように書き込んでいって、最後に通信機同士を繋いで……っとこれで完成!

 よし、このまま勢いで他のものも適当に作っておこうかな?必要になりそうなものとかを遊び半分ぐらいで作ろう。


『よしこれで通信機は終わったよ。それじゃ私は適当に作るけどクラーも自由に魔道具を作ってみる?少しやりたい事も出てきた頃だろうし』

『はい!ちょっと作りたいものがあるので勝手に作っちゃいますね!良いって言うまで見ないでくださいね主様!』


 ……クラー、それは振りなの?そう言われると凄く見たくなるんだけど?私、気になっちゃうよ?見たくて見たくて仕方なくなっちゃうよ?

 でもちゃんと私は許可がもらえるまでなにか適当に作って待ってるからね!

 それから私とクラーは魔道具を作っては見せ合いっこして遊んでいた。その内、ワルトが帰ってきてワルトも見せ合いっこに混ざる事になって三人で何日も遊んでいると紫月とグイスが帰ってきた。


「色ちゃん!帰ってきたよ!ってなにこの大量にある道具は?!」

『ん?それはねー、ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったみたいで気付いたらこうなってた。だけど今ちゃんと片付けするから待ってて!ワルトそこにある袋取って中に全部入れちゃうから』

『おう!早速使うんだな!俺が考えた無限収納袋を!ほらよ』


 ワルトから受け取った。名前はえっと……無限収納袋だっけ?に魔道具達を入れるように指示すると全部一気に収納されたみたいで実験室はあっという間に片付いた。うん、便利だねー!


「えっ?なにそれ?そんなの家にあったっけ?」

『いや、残念ながら家にはなかったぞ。だがな、さっきも言ったが俺がそれを作ったんだぜ!どうだ、凄いだろ!』

「これをワルトが作ったの!?凄いね!それがあればもっと冒険者やっている時に楽だったのに。素材って意外とかさばるんだよね……」

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