第41話 家に帰って作戦会議?

 そんなこんなでやっと家に帰ってこれたんだけど……。帰ってきたら、こっちはこっちで大変だった。

 まず家に入って少しゆっくりしたかったのに、家に入った途端にグイス達が押し寄せてきて


『シヅキ、クラー本当に済まなかった!!』


 と玄関でグイス達の土下座を見せられた挙句、いきなり謝ってきた。私にではないけどね。


「別に良いんだよ。むしろその方が正しい反応だったからね。その事については私からはなにも言わないけど、強いて言うんだったらもうちょっと私の事を信じてもらいたかったって位だから。後、ここで土下座されてもただの邪魔にしかならないからせめてリビングでやってて」

『ああ、そこまでは考えていなかった。さっさと退こう』


 それでグイス達はやっと退いてくれた。そしてリビングに行ってみんなが定位置に座ると


『まず、確認したいんだけどよ。シキはシヅキから逃げた後、どこに行ってたんだよ?』

『うーんと、それはね……』


 私は簡単に説明した。あまり詳しく言うのもかなり大変だからね。

 この前ぶっ壊した国がどうなっていたのかが気になっていたから行ってみたらもうすでに村が出来ていた事。

 その後まっすぐ飛んで行ったら、大きな湖がポツンとあって気になったからそこの近くに降りてみたら眠くなってそのまま寝ちゃったらドラゴンの餌にされそうになったけど普通に倒した事。

 そしてその先に行った所に森があって探索していたら全く動物達に会わないまま謎の円盤の物体を見つけた。その上に乗ったら檻にとらわれてなにかの施設に入らされた時に大勢の人間達に囲まれてトラウマを思い出した。

 後は紫月とクラーに助けてもらって正気になった。そのままその施設を探索していると人影が出てきてその正体が動物達だったのでエネルギーに変えて森に帰した。しかもその実験をとある国がやっていて私がぶち切れた事。

 それらの事を話した。


『そうか、そんなことがあったのか……。やはり人間どもがやったのか、どこか歪なものだったからな』

『そこで私達がその糞みたいな国をぶっ壊す為の作戦を考えたいと思います!誰か意見のあるものはいるー?』

『そもそもだな、どんな所を対策しないといけないんだ?』

『グイス良い質問なんだけど、どこを対策していけばいいのか全く分からない状態なんだ。それでまずなにをすればいいのかなー?っていう訳なんです!』


 グイスが呆然としているけど、そんな顔されても仕方ないんだよ。残念な事にあまりあの国について良く分かっていないのが現状なんだよね……。


『あっ!でもね一つだけ分かっているのがあるんだよ。手のひらサイズのボールみたいなものなんだけどね、それが身体に当たっちゃうと洗脳されて操り人形みたいにされちゃうんだ。しかもものによってはね、洗脳の度合いが違くて物凄く強いやつから普通に耐えきれるやつまで色々あるんだよ……』

『そんなものもあるのかよ!じゃあその対策を考えて行こうぜ!それと同時にその国に実際に行って情報収集しないとな!』

『そうだね。じゃあ誰が行く?』


 みんなが考え始めたのを見たので、私も考えてみよう。

 紫月は一応人間だったから行っても問題はないはず。容姿も前と別人レベルになってるから誰だか分からないと思いたい。

 グイスとワルトも私と同じように身体を変化させる事も出来るから人間の姿で行けば問題ない。

 私は人間の形はになれても全体的に真っ黒のままだから明らかにばれる。でも前と同じように使い魔的なポジションなら問題はないけど、そこまでして行くのはちょっと微妙な感じかな。

 クラーも私と同じにすれば良いかもしれないけど……ね?

 ライは普通にアウトだよね。スライムだしね。

 うーん……でもあまり大人数だと動くのが大変だし、かといって一人だと場合によっては目立つ可能性があるからね。難しいねー。


「私は行っても大丈夫だよ!」

『じゃあ紫月は決定ね!後は……ワルトかグイスどっちかが行ってね?』

『あっ?なんでだよ!紫月だけで十分だろうが!』

『だって人間的に考えてもみてよ、女が一人で旅をしているとか明らかに目立つじゃん!忍び込む為に行くのに目立ったら意味がないでしょ?』


 それを聞くとワルトは納得したのか頷く。


『まあ、確かにそうだな。俺も人間の雌が一人で旅する所は見たことがないな。だけどな、俺は行きたくないからグイスにパスだ』

『ワルトがそう言うのなら仕方がない。私が行くしかないみたいだな』

『よし決まったのなら、グイスは人間の姿になって』

『分かった。だが初めてだから上手くいかないかもしれないからな?』


 グイスがどこか緊張した様子で人間になってみるとなにかの補正がかかったのか普通にかっこいいと思われる部類の男になっていた。……なんでこうなったんだ?と訴えたくなる。何故か良く分からないけど。そもそもどこに訴えれば良いのだろうか?

 と脳内が変な路線に入りかかった時に


「おおー!グイスいい感じだよ!」


 とそんな感じで紫月がはしゃいでいるのを見たグイスが


『そ、そうか。それなら良かった』


 普通に引いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る