第16話 改めて思う、人間怖い……
私は紫月の肩から降りて身体を膨張させていき足りない部分は能力を使って、大きさ3mのデカさになって紫月が私の背中に乗ったことを確認する。
そして、人間が逃げない様に魔素で覆って舌で人間をすくい上げ食べていく。
うーん。あんまり味がしない。まあ、良いか。そんなのあっても困るし。
大体終わったかな?よし、じゃあ戻るか。さっきと同じく濃縮させて小っちゃいサイズになってまた紫月の肩に乗った。
『これで良し!』
「良くない!完全に残っている人全員怯えさせてどうするの!って、え?」
近くにいる人間は全然、怯えてなどいなかった。むしろこれは……。
「ありがとうございます!私達を助けてくれて!」
それから被害者にお礼やら、握手などをやられまくり紫月は疲れていた。
私?だって私は使い魔ですもん。主の方にみんな行くに決まってるでしょ?何故かいた子供に尻尾やら噛まれたけど気にしないし。いざとなったら、紫月の中に隠れればいいから。疲れはなかった。
『大変だったね。まさかあそこまでなるなんて、思いもしなかったよ』
「……疲れた」
『……これは私が運ばないといけない感じだね』
私は元の大きさに戻ってドラゴンになりそっと紫月を背中に乗せて
『人間達、それじゃあさようなら』
私は家に向かって飛んだ。……飛ぶのに苦戦したのは秘密だよ。
この後被害者の人達は、それぞれの家に帰りこの話をした。やがてその国中に広まり、それを聞いたある国が動き出したのを今の私は知らなかった。
家に帰ってみんなと一緒にのんびりと過ごした。
それから数十日たったある日の事。最近、ここに来る人間が多い。
なにかした訳でもないから、みんなで首を傾げていた。
『おい、俺達なにかしたっけか?』
『うーん?特になにもしていなかったはずだけど?なんでだろう?』
「さっぱり分かんないね」
なんか、観光地みたいな扱いなのかな?でも、それにしてはなんだかピリピリしているような?
とりあえず、私と紫月で行ってきた方が良さそうな気がする。
『ちょっと気になるから、紫月一緒に行ってみようよ』
「……まぁ、いいけど前みたいな事はあまりしないでね?」
『うっ、分かったよ。なるべくしないようにするよ』
「それなら、良いよ。じゃあ、行こっか」
私は小さいサイズのトカゲになって紫月の肩に乗る。そして外に出た。
やっぱり人間がいっぱいいてちょっとキツイ。そんな中紫月は近くにいた人間に話しかけた。
「あのー。これはなにしているの?」
「いたぞ!こいつだ!捕らえろ!」
紫月が危ないから、これは仕方ないよね?私は大きいサイズになって尻尾で追い払ったりひっかいたりして紫月を守る。後、威嚇するのも忘れずに。
「お前達!先にこのトカゲにあれを使え!」
人間達はなにかを取り出して私に投げた。私が避けきれなくて当たってしまうと、なんかの効果なのか頭がぐらぐらして……。
色ちゃんが変な物に当たってから、なんか変になっている!でも、私には何もできない……。
「おい、トカゲ!そいつを捕まえろ!」
「グギャァアア!ガァアアア!」
……え?色ちゃんどうしたの?まさか、この人達のいう事聞いちゃっている?
ど、どうしよう?えーっと、こういう時は確か呼びかければ良いんだっけ?
「色ちゃん、私よりこの人達の事ぶっ飛ばしてあげて!」
「ガァア!グルガァアアア!」
色ちゃんが、尻尾で思いきりこの人達の事をぶっ飛ばして吹っ飛んだ。あれ?色ちゃん?もしかして言葉が通じている?
でも、色ちゃんが苦しそう。助けてあげないと!えっと、どうすればいいの?
あっ!背中に何個か変な物が付いている。これを取ればいいかな。
「色ちゃん、今から背中に付いている物取るからじっとしていて!」
「グルゥウ」
力をかなり入れて引っ張ったけど、なかなか取れない。でもこれ、真ん中にボタンがある。押せば取れるかな?
ポチっと押してみたら、簡単に取れた。よし、この調子で取っていこう。
少しして全部取れて色ちゃんは疲れちゃったみたいで、ぐでーっとしてた。私の事守ってくれてありがとうね。色ちゃん。
ふぅ、なんとかあの機械の洗脳から耐えきれた。
もし耐えてきれなかったら、今頃かなり危険な状態になってたと思う。
そうなったら……。まぁ考えるのはやめよう。
「休んでいるところ悪いけど色ちゃん。あの人達の事どうする?」
『とりあえず、ひもで縛ってなんの用で来たのか聞いてみよう』
私は小さいサイズになろうとしたけど、今はこのままの方が良いかもしれないからやめよっか。
能力でひもを作る。今の私では上手く縛る事が出来ないので紫月に頼んで人間達を縛ってもらった。
人間達の目が覚めるまで待つ。少しして目が覚めたので聞いてみる事にする。
「ねぇ、お前達。なんの為にここまで来たの?答えなかったら色ちゃんが頑張っちゃうからね!」
「ひぃぃ!こ、答える!答える!だから、そのトカゲを近づけさせないでくれ!」
「それが、人にものを頼む態度?」
「分かった、……分かりました。答えます。だから、許してください!」
……それにしてもなんでこんなに、私が嫌われているのかな?ただ、ぶっ飛ばしただけなんだけどな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます