第3話 農村でオオカミ退治!

 さて、朝ごはんも食べてことだし依頼でも受けようかな。

 依頼板を見る。うーんどれにしようかな。うん?オオカミ退治?これでいっか。

 モリーさんに渡して依頼を受ける。行く道などを聞いてそれじゃあ目的地にゴー!

 近くの農村がオオカミに狙われているらしい。被害はまだないらしいけど早めに退治して欲しいとの話。

 犬なら友達?になったけど、オオカミかー。ちょっと会ってみたいなー。

 おっ!あそこが農村かな?意外と近い。歩いて十分位しかたってない!

 近くの村の人に声をかけておこう。


「初めまして、依頼で来ました色と言います」

「よろしくなー」

「オオカミについて聞きたいのですが」

「……近くの森で見かけた人がいたんだ。なんとか怪我をさせて追い払ったらしいが、それ以上は分からない」


 ……もしかすると、あの犬?オオカミだったのかな?でも、危害を加えるような雰囲気はなかったけど。

 とにかく、森に行くことにした。


「ありがとうございました。では、もうそろそろ行きますので」

「頼むぞー!」


 森に着いたのはいいんだけど、どうやって呼べばいいんだろう?


『どうかしたのか?』

「……あっ!いつの間に。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


 近くの農村であった事を話すと


『それは私の事だろう。特に襲うつもりも無かったが、そうかそれならばここにはいれないな』

「私がなんとか説得してみるよ」


 やっぱり襲うつもりはないんだ。でも、多分説得は無理だ。オオカミが近くにいる時点でこの騒ぎなのだから、ずっといるのも猛反対だろう。それを分かっているのかオオカミは


『いや、説得は無理だろう。人間は怖がりだからな』

「じゃあ私と一緒にいてよ。せっかく、友達になったのに離ればなれは嫌だ」


 紛れもなく私の本心。友達としてオオカミが寂しくしてるところは見たくない!

 オオカミが下を向いてなにか考えている気がする。……考え終わったのか私の顔をみて


『分かった。一緒に行こう。名前を付けてくれ。それで従魔になれる』

「従魔はよく分からないけど、じゃあ……グイスでどうかな」

『私の名前はグイス。いいと思う。これからよろしくな』

「うん!よろしく!あっ!私の名前は色だよ!私、言うの忘れてたね。改めてよろしく!」


 でも、従魔ってなんだろう?後でモリーさんに聞いてみよう。


「ところでグイス、村の人になんて説明すれば良いのかな?」

『それは自分で考えろ。私には分からないからな』


 私だって分からないよ!あの人達を説得する方法……うーん。


「駄目だ!思いつかない!とりあえず、村の人に会いに行こう!」

『それで良いのか……』


 グイスを連れて村に着く。そして村の人に会うと


「よう!オオカミはどうなった……ひぃ!オオカミ!こっちに来るな!」

「グイスは私の従魔になったので触っても大丈夫ですよ」

「冗談じゃない!やめてくれ!とっとと帰ってくれ!」


 追い払われた。仕方ないから、街に向かって歩き出す。

 こんな事初めてだなー。いや違う。この世界では初めてってだけか。そこまで気にする必要はない、なんだけど……ちょっとね。

 でも、あそこまで嫌がるものなのかな?全然、分からないや


『済まない。まさか私があそこまで嫌われているとは思わなかった』

「グイスのせいじゃないよ。私もあそこまでだと思わなかったから」


 でも、このまま街でも同じような反応されるかもしれないから……。どうしよう?

 うーん。いっその事誰もいないところで暮らす?……なんだかそれが一番いいかもしれない。

 そうと決まれば!立ち止まり、しゃがんでグイスと同じ目線になる。


「ねぇ、グイス。私達が街に行ってもダメかもしれないし、誰もいない場所に行こうよ」

『……シキがそれを望むなら良いが、そうではないのならば行かない方が良い』

「……分かった。ありがとうね。グイス。私の事心配してくれて。でも、私はグイスもいないと寂しいから、わがままでごめんね」


 グイスが首を横に振って


『私から見ればわがままには見えない。だから謝る必要はない』

「ふふっ。私の事をここまで考えてくれてる。グイスって優しいんだね。でも、私はグイスが思っている程人間じゃないんだよ……」


 グイスが首をかしげる。


「本来なら、睡眠も食事も呼吸も必要じゃないんだ。全て能力でエネルギーさえあれば、動くことが出来る。【それはまるで人間じゃない、機械の様だと】子供の時から言われ続けたんだ。だからもういいんだ、人間を相手にするのは。疲れちゃった」

『……』

「だからかなりの間、休もうかなって。……休む必要なんかないけどね。へへっ」


 グイスが私のほっぺたをぺろぺろなめている。なんで?


『泣くな……。悲しむ必要はない。これから、楽しくて幸せになればいいんだ。そうだろ?』

「……うん。そうだね!」


 私は涙を拭いて立ち上がる。


「よし!グイス!平原で広くて人間がいない場所に行こう!」

『それならば、思い当たる場所があるぞ!こっちだ!ついてこい!』

「本当に?!グイス凄い!」


 グイスが駆け出した後を追って私も走り出した!

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